小学校高学年のときに姉の影響でYMO沼にハマり、カセットテープが擦り切れる寸前まで聴きまくっていました。メンバーの3人それぞれソロや別のユニットでの活動をきっかけに他のアーティストを好きになったこともあり、私の音楽遍歴には欠かせない存在です。

 大人になってからも自分の中で何年かおきにブームが訪れ、いまだに飽きもせず聴き返したりしています。今年の初めにも、とあるユーチューバーによる完コピ演奏のマニアックな動画を見つけて楽しんでいた折、高橋幸宏さんの悲報が。そして3月28日には坂本龍一さんも──。

坂本龍一さん 撮影/坂本利幸

 坂本さんの元妻でニューヨーク在住のシンガー・ソングライター、矢野顕子さんは英語でコメントを発表しました。

Dearest Ryuichi,Would you like to play piano four hands together again? I miss you very much.(親愛なる龍一さん、また一緒に4本の手でピアノを弾きませんか? あなたがいなくてとても寂しい)

 私のお気に入りの映像に、若かりし日の坂本さんと矢野さんがYMOの代表曲『東風』(作曲は坂本さん)をピアノで連弾しているものがあります。1985年に公開されたドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakmamoto』のワンシーンですが、自宅の部屋で1つのイスに肩を並べて座り、4本の手でピアノを奏で始める夫婦ふたり。リラックスした雰囲気から、次第に熱を帯びていく息ぴったりの演奏はファンとしては涙モノ。それだけに、今回の追悼の言葉には胸が締めつけられる思いです。

 教授、たくさんの素晴らしい音楽をありがとうございました。(純)