先日、千葉県銚子市に旅行に行ってきました。三方を海に囲まれた銚子、その最東端の犬吠埼灯台から見える水平線の果てしないこと。銚子から旭市刑部岬まで10キロにわたる海岸の絶壁「屏風ヶ浦」も日本とは思えない大きさのスケールで、圧倒的でした。

 美しいオーシャンビューが予約の決め手になった宿泊先は、窓から浜辺が見えました。夜になっても消えない波の音。海なし県で生まれ育った私にとって波の音というのは聞き慣れないですが、不思議と不快には思いません。幹線道路沿いで聞こえる車の騒音と音量を比較してもそうそう変わらなそうなのに、自然と耳が受け入れるのは、太古の昔、人間が海から地上に上がってきたからなのかなぁ、と考えてしまいました。

 波の音を聞いて「潮騒」という言葉が頭に浮かんだのですが、帰ってきて辞書を引いたら自分の思っていた意味ではありませんでした。

 てっきり「絶えない波の音」のような意味だと思っていたのですが、本来は「潮の満ちてくるときに、波の騒ぎ立つ音」(デジタル大辞泉)のこと。満潮になるときの音を指していたとは。というか、潮が満ちるときに特別、音がするんですね。想像ですが、サーーーーっという静かな音が波音に重なるのでしょうか。それはそれですごく趣がありますね。

 本当の潮騒の音を聞きに、いつかまた海を訪れたいと思いました。(知)