「感情まで訳す通訳者」として知られる橋本美穂さんの、仕事をするうえでの哲学だという言葉です。
アスリートや政治家、経営者の記者会見などで黒子として活躍する彼女ですが、近年はふなっしーやピコ太郎の同時通訳を担当し、訳すのが難しい言葉(「梨汁ブシャー」など)をわずかな時間で英語に変換する対応力が賞賛されました。
その橋本さんが4月9日の『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)にゲスト出演。日本語の擬音を英訳する難しさなどフムフムしながら興味深く聴いていましたが、発言の端々にプロ意識が。いわく、「通訳は伝えて終わりではない。聞いた人が心を打たれて、アクションをとることが大事」。さまざまなタイプの通訳者がいる中、話し手のキャラクターになりきるのが“橋本流”だそう。声に喜怒哀楽の感情をのせたり、ときには個性を表現するためにモノマネもしてみたり。
ふと、私たちメディアの仕事も同じだと思い当たりました。フムフムニュースでは月に30〜40本くらいのインタビューを公開しています。単なる字面だけのQ&Aになっていないか、話し手の“体温”をきちんと届けられているか、読んでくださった方の行動につながるか──自問しながら記事づくりを続けていきたいです。(純)