きょう5月6日は、英国・チャールズ国王の戴冠式が行われます。場所はイギリスで最も権威のある教会で、歴代の王や多くの著名人が埋葬されているウエストミンスター寺院。国王は宣誓を行った後に聖油で清められ、3000個以上の宝石で飾られた重さ2キロ(!)の王冠を授けられます。約1000年におよぶ伝統を誇る英国王室ならではの厳かで華やかな儀式は、一見の価値があるでしょう。

 チャールズ国王はかつてダイアナ元妃との離婚やカミラ王妃との不倫で王室のイメージを下げ、現在も次男・ヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱などスキャンダルを抱えています。今から70年前、エリザベス女王は自らの戴冠式で、「私の全生涯を通じ、真心を込めて、みなさまの信頼に応えられるよう努力します」との名スピーチを残しました。偉大な母親の跡を継いだ息子は今回、どんな言葉で国民に語りかけるのでしょうか。

 2010年のアカデミー賞4部門を受賞した映画『英国王のスピーチ』は、吃音(きつおん)に悩むジョージ6世(エリザベス女王の父)がコンプレックスを克服していく実話に基づくものでした。兄・エドワード8世陛下がバツ2の一般女性との恋を貫くために退位したせいで嫌々、王位に就いたジョージ6世。一見、曲者(くせもの)の言語聴覚士からスピーチの訓練を受け、ついには「私には王たる声がある(I have a voice)」との言葉が飛び出るほど国王として覚醒するというストーリーに、人前で話すのが苦手な私も感銘を受けました

 ところで英国のロイヤルファミリーでは他に、エリザベス女王やダイアナ元妃の半生もたびたび映画化されています。「事実は小説より奇なり」ともいいますが、これからの王室のリアルな人間模様に興味津々です……!(純)