精神科医、随筆家であり、「モタさん」の愛称で親しまれた斎藤茂太さん。父親は、有名な歌人であった斎藤茂吉さんです。(ちなみに、茂吉さんは本日5/14がお誕生日! パチパチ・・・)

 茂太さんは父親譲りの文才を発揮し、精神関連の専門書だけでなく、旅行記や趣味にまつわる話など、数々の本を書いています。特に、茂太さん自身の経験から得た学びをふんだんに盛り込んだ、心の持ちようや生き方について語った著書は、「人生に希望が持てる」と多くの読者から支持されています。

 そんな茂太さん、名言をたくさん残されていますが、私が好きなのは、冒頭で紹介した「いま何がないかより、いま何があるかで発想しよう」です。「隣の芝生は青く見える」とはよく言ったものですが、人間はどうしても、他人と自分を比べてうらやんだり、みじめに感じたりしてしまいがち。その結果、「私はこんなこともできない」「私にもあれがあったらなあ・・・」などと落ち込み、自分で自分の可能性を狭めたり、ムダに落ち込んだりしてしまうこと、ありますよね。

 でも、これって、無意識に「自分には何がないか」を考えてしまっていることが原因だと思うのです。というか、茂太さんの言葉にそう気づかせてもらいました。誰にでも欠点はありますが、まずはマイナス面でなく、自分ができること、持っているものに目を向けてみると、視界がパッと開けてきませんか? それはきっと、ささいなことでもいいんです。早起きが苦にならないとか、感情にあまり流されないタイプだとか、大好きな推しがいるとか・・・。「いまあるもの」に目をむけると、自分は恵まれているなと明るい気持ちになれるし、今後何かにチャレンジする際にも、視野が広がるのではないでしょうか。

 この考え方を続けていくと、だんだん自分に自信がついてくると思うし、自分にしかない持ち味、自分にこそできることなども見えてくるはずです。ここまできたらもう、人生バラ色ですね! バラといえば、いまはちょうどバラが見頃の時期。とても好きな花のひとつなので、近々、庭園にでも赴いてゆったりと花々を眺めながら、心を浄化してこようと思います。(横)