一流のアスリートは、語る言葉も一流。あらためてそう思わされたのが今週、引退会見を開いた卓球の石川佳純選手です。
オリンピックに3度出場した思い出や今後の展望を明かしたほか、中国人記者からの質問を石川選手自ら日本語に訳したうえで、中国語で答えるというリクエストに応じる神対応も! 多くのファンに愛される、実直な人柄が感じられました。
日本の卓球界をリードしてきた石川選手ですが、年下のライバルに追い抜かれて試合で勝てなくなった時期も。2020年8月に放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀 石川佳純スペシャル』(NHK総合)では東京五輪の選考レースで崖っぷちに立たされながら、代表の座を勝ち取るまでの日々が描かれました。
“変わらなければ明日はない”とばかりに、筋トレを強化してプレースタイルを変えた石川選手。それまでのやり方をある意味、否定するのはトッププレイヤーにとって大きな決断だと思いますが、その理由は「結局、最後に自分を助けてくれるのは自分だと思って」。(崖っぷち会社員の私も、変わらなければいけないのかも……)
会見では、選手生活で大切にしていたことを「頑張ってもなかなか結果が出なかったとき、そこからがスタートなのかなと思ったこともありました。続けることの大切さ、何回でもチャレンジという言葉に励まされました」「目の前のことにひとつずつ、誠実に、真剣に向き合うことでいい結果やいいきっかけが生まれ、次につながっていくのかなと思います」とも。派手さはないけれど、こちらもじんわりと身にしみる言葉です。(純)