今日はどんなコトバスケットにしようかな~?と考え「検索されることが多いことわざ」と調べたところ、冒頭の「情けは人の為ならず」が出てきました。唐突ですが皆さん、ことわざっていいですよね。その一言でバシ!っと状況を言い表せて、使いどころによっては博識な感じを醸し出せる。が、ひとたび使い方を間違えてしまうと恥ずかしい思いをすることになるかもしれません。

 ……といいつつ、わたくし編集という職に就きながらものすごく恥ずかしいのですが、冒頭で紹介したことわざ「情けは人の為ならず」を間違えて覚えていました。

 言葉の響き的に「~ならず」と付くゆえに“情けをかけたところで人のためにはならない”という意味合いなのかな? と勝手に思っていたのですが、本来の意味合いは真逆。文化庁のHP内『日本国語大辞典 第2版』によると、このことわざは本来“人に親切にして、情をかけておけば、それが巡り巡って自分にもよい報いが来る”という非常にハートフルな意味合いでした

 ほかにも、慣用句で“自分にそんな肩書はもったいない!”という謙遜の意味で使われがちな「役不足」という言葉。しかしこれは、 “自分の力量に比べ、与えられた役目が不相応に小さい様子”を意味しています。うっかり使ってしまったら“めっちゃ自己評価高い…!”と、逆の意味で捉えられてしまうかもしれません。

 時代の流れとともに言い伝えられてきたことわざや慣用句は、ネットの普及で多くの人に認知されやすくなりました。しかし、その拡散力ゆえに間違った内容も流布してしまいがち。“周りはこう言ってるけど、それは本当かな?”という視点を持つことが、AIやインターネットと人間が共走する、数少ない術のひとつなのかもしれません。(西)