作家の城山三郎さんの言葉です。

 城山さんは丹念に取材した経済小説の第一人者。多くの小説で、登場人物が挫折しながらも気概や矜持を持って仕事に取り組む姿が描かれています。他にも国のために汗を流す官僚の姿だったり、誰にもおもねることなく強い信念で事業を推し進める豪快な人物など、魅力的な人々の姿を活写しています。

 そんな城山さんがあるインタビュー中に「(城山さんが)信頼できる人物とは?」と聞かれた回答が、

 「役職や立場が変わっても態度や言うことが変わらない人ですね」

 職位が上がって勘違いして威張る人は問題外ですが、ふとしたときに横柄な態度になったり、前と全く逆のことを言い出したり……。改めて自分を見直し、戒めたい今日このごろです。(文)