先日、大学時代の恩師と8年ぶりにお会いしました。3時間ほどの会食で、ご自身が大学で教鞭をとる原点が高校時代にあったというお話などを聴きました。そこで出てきたのがヒルティ氏。恩師は将来のために英会話を学ぼうと、伝手(つて)を頼ってお願いした方はキリスト教の宣教師でもあったとか。ただ、決して入信をすすめることも聖書を読むことを強制することもなく、ヒルティの『幸福論』をテキストに英語と人生訓のようなものを教えてくださったそうです。いくつもの箴言(しんげん)に触れたという話が印象的でした。
私も同氏の言葉を検索してみたところ、心に刺さる言葉がいくつもありました。余談ですが、この「心に刺さる」というのは実に手前勝手なもので、その時の心模様によって、まったく違ってきますね。気持ちが弱っているときと充実しているときとでは言葉から受ける印象が変わるので当然なのですが……。
さて、この言葉ですが、挫折をしていない人はいないでしょう(なかには、ごく稀に挫折に気づいてない人はいるかもしれません)。挫折もしくは失敗を直視するのはつらいことです。しかしセンスのある人は失敗から必ず何かを学んでいます。そもそも挫折したことのない人が役に立たないのは、想像できます。さらに、失敗から学ぶ姿勢のない人は、もっと役に立たないのではないかと思うのです。(文)