「はがきの名文コンクール」をご存じですか? メールやSNSが普及したこの時代に、「はがきにはそれらの通信手段には及ばない魅力があるはず。はがきを文化としてとらえ、この文化を守り、広めていこう」と考える主催者らによって2015年から開催されているコンクールです。審査員は作家の五木寛之さんや村山由佳さん、教育学者の齋藤孝さんと、錚々たるメンバーが務めています。

  ホームページでは過去の受賞作が公開されています(https://www.hagaki-meibun.or.jp/awards/hagaki2022/)。その中で、私が心を射抜かれたのは、2022年の「齋藤孝賞」を受賞した、8歳の女の子・植木舞衣さんの作品。今日はこちらをぜひ、ご紹介できればと思います。

「今年の夏は協力しようね」
お母さんが言いました。
兄ちゃんがじゅけん勉強するそうです。
夏休みまで勉強するの?
あの兄ちゃんが?
じゅけんってそんなに大変なの?
はてなマークだらけです。
どこにも行けない夏はつまらない。
だからわたしは言います。
兄ちゃんは勉強をしているふりをしています。
ゲームきがあつくなっています。
おそくまでおきていて、たぶんじゅくはねています。
だからお母さんどこかに行こう。
兄ちゃんは本気だせ。

 はい。いや、なんかホント元気出た。ありがとう舞衣ちゃん。8歳でこの感性、文才、ユーモアセンス。必ずや大物になることでしょう(誰目線)。編集Y賞も差し上げたいです。黒毛和牛焼肉食べ放題でいかがでしょうか?

 舞衣ちゃんの作品の他にも、笑えるもの、泣けるもの、考えさせられるもの……名作がそろっているので、みなさんもぜひホームページを覗いてみてください。回し者ではありませんよ。そして兄ちゃんは本気だせ。(横)