1年の後半のスタート、7月1日は富士山の「山開き」が行われます。私は一時期、登山にハマっていて夏になると尾瀬や日光などの山々を訪れていました。マイペースで行動したい派なので基本的には1人で出かけるのですが、富士山は例外でした。

 初チャレンジのときは、同行した職場の先輩が七合目で高山病に。道中で携帯酸素ボンベを何本も使い果たし、山小屋では夕食を夜中にトイレで戻してしまうほど悲惨な事態……。ご来光を拝み、なんとか登頂できたものの先輩の体調は戻らず、下山後に急きょ現地でもう1泊するなどハプニング続きでした。

富士山の七合目から先は、岩場と砂地が続く急勾配に心が折れそうになります 撮影/廣瀬靖士

 幸い私は無事でしたが、他の山のように風景や植物を楽しく鑑賞できるわけでもなく、荒涼とした砂地に溶岩が転がる登山道は、はっきり言って苦行でしかありません標高3776メートルに立った達成感はあれど、正直もういいやと思っていたら翌年と翌々年にも別の先輩に誘われ、断ることができずまさかの恒例行事に。富士山については「一度も登らぬ馬鹿に、二度登る馬鹿」という言い伝えがあり、日本一の山に一度も登らないのはもったいないけれど二度も登る価値はないという意味です。じゃあ三度登った私は?(純)