私が最近ハマっているラジオがbayfmで毎週火曜深夜1時から放送されている『ロバート秋山の俺のメモ帳! on tuesday』。

 芸人のロバート・秋山さんがアイデアの源泉になっているという日頃の「メモ」からネタを蔵出しする30分のトーク番組ですが、秋山さんらしさが濃縮された狂気スレスレの内容に毎回、おなかを抱えて笑っています。

 秋山さんの代表作といえば、架空の人物になりきる「クリエーターズ・ファイル」。このラジオでも現実にはないCMソングをいきなり歌い出したり、どこかにありそうでないポエムを語り出したり、とにかく「理屈で考えるな、感じろ」な世界が繰り広げられます。あまりの意味のなさとくだらなさに、難しいことなんて考えなくてOK!! と脳がフリーズして癒やされるひとときです。

 6月28日放送分は、ムーディーな音楽に乗せて秋山さんが即興の「雰囲気ポエム」を朗読するコーナーが秀逸でした。以下、ポエムの書き起こしです。

遥か雲海に 一筋の光が照り始めたとき
その雲海がまた妙に恥じらわしく見える
人間たちに照れる雲海と地平線が交わったとき
孤独で臆病者の紳士は 今そこで大きな大声をあげる
浜辺にたどり着いた三脚の椅子に カモメたちがご機嫌と声をかける
その地平線がまた なんと饒舌で巧妙なことか
地平線に海外の商人が惚れ込み 一つの光とともにその新しい絆を見つけ
三人のバックパッカーがここぞとばかり
新しい自分たちの時代を大きな模造紙へと描き始める
水面に浮かぶ赤いシンプルな大きなトカゲたちに旅人は心を打たれ
語り尽くされた地平線やその大きな雲海のエピソードに嫌気がさす少年は
新しいリズムとともに自分の楽譜を手にし
地中海へと旅立った友人のジェットストリーム

 何か壮大な意味がありそうで、実際には何も言っていない。わけがわからなすぎて爆笑。また秋山さんが低音の美声で、すごいロマン溢れる感じに聞こえるんですよ。

 秋山さんは「考えちゃダメです。自分に降ってきた言葉だけでポエムにしていきます」と語ります。

 曰く、「決めちゃうと面白くないんで、ただただ口を開いてみるしかないんですね。いいのが出てくるときもあれば出てこないときもあるんで。台本がないんで。それが雰囲気ポエムですね。こういうのをみなさんやってみてください」と。

 普段、何か行動を起こす前にあれこれ考えてしまう私。でも口からついた出まかせから始まる世界もある。というかそのほうが面白い。秋山的「考えるな、感じろ」のエッセンスを日常に取り入れ、軽やかに過ごせたらと思います。

『俺のメモ帳』はポッドキャストやSpotifyで放送から1か月間はアーカイブで聞けるので、ぜひチェックしてみてください。(知)