首相も務めた石橋湛山氏の言葉です。ここでいう「政治家」を「上司」にしてもいいし「先生」や「先輩・後輩」に変えてもいいと思います。テレビで中継されている国会答弁を見ていても官僚の書いた文書を読むだけの政治家の多いこと。

 何年か前に田中角栄元首相について書かれた本が売れたことがありました。毀誉褒貶のある政治家でしたが、彼のスピーチは今聴いても面白く聴き応えのあるものです。独特のダミ声なのに間の取り方や声の強弱で、聴衆を惹きつける力がありました。国会議員には法律を作るという大切な仕事がありますが、彼は次々に法案を作り、通した政治家でもありました。その背景にあるのは、自分の考えというか強い信念ではないかと思います。

 今回の言葉の主・石橋氏は政治家になる前にはジャーナリストでもありました。言論の自由を大切にした人です。SNS の発達した現代、自分の言葉で自分の考えや信念を発信する人が増えました。願わくば、他人がそれを尊重しながら議論に発展すれば、まだまだ面白いことが生まれてくるように思います。特に若い世代は、そうなんじゃないかな、弊社の若き後輩たちを見ているとそんな気がします。(文)