私が子どものころは存在しなかったこの言葉、いつから使われるようになったのでしょう。
もともとは業界用語っぽいイメージですが、今は誰もが普通に口にしていますし、映画やドラマの感想を綴るサイトやブログで《以下、ネタバレを含みます》《ネタバレ注意》の注釈を見ないことはないほど。
作品名と公開日以外の情報を明かさず、事前の宣伝を一切しなかった映画が今、大ヒットしています。私の周りでも話題になっていますが、映画を見た人はこちらが未見だと言うと、親切心から内容を教えてくれないのです。いやいや、いいから教えてほしい! あの大きなくちばしの鳥はいったい何?
ネタバレってそんなに罪なのか──モヤっとしていた気持ちを、ライターの武田砂鉄さんが週刊誌のコラムで代弁してくれました(『女性自身』2023年8月8日号)。映画の公開前に行われるプレス試写会での「ストーリーの後半部分は原稿やSNSで触れないように」といった、最近よくある“お願い”を例に挙げ、《書く範囲を制限してくることに対して、少しは抵抗したいし、素直に受け入れたくはない》《ネタバレしちまえ、とは思わないが、とにかく従っている様子には違和感を持ちたい》とのこと。激しく同意!!!
時間のやりくりが下手な私は劇場にしばらく行けそうになく、モヤモヤの日々は続きそうです。(純)