本日8月27日は、宮沢賢治のお誕生日。言わずもがな『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』『やまなし』『風の又三郎』などの名作を生んだ詩人であり、作家です。彼は、作品の中で登場人物に語らせるセリフにも、自身が放った言葉の中にも、数多くの名言を残しています。

 どれを取り上げるか非常に悩みましたが、本日選んだのがこちら、「人間は他人のことを思いやって行動し、よい結果を得たときに、心からの喜びを感じるものである。その喜びこそ、人間愛に基づくほんとうの“幸せ”なのである」。『銀河鉄道の夜』のテーマにもつながるひと言です。

 宮沢賢治は急性肺炎を患い、わずか37歳で天に召されました。若くしてこれほどの言葉が出てくるとは驚きですが、母のイチは、幼い賢治に添い寝しながら「ひとというものは、ひとのために、何かしてあげるために生まれてきたのス」と言い聞かせていたそうですから、母の影響が大きいのかもしれませんね。

 私はこの賢治の言葉を偉そうに語れるほど、できた人間ではないと思います。それでも、自分が大きな幸福に包まれたのはどんな場面だろうと思い返すと、大切な相手のことを純粋に思って動き、それによって相手が笑顔になったり、相手の役に立てたと感じられたりしたときだったなあと。思いやりによって、相手も自分も幸せになれるなんて、本当に素敵な連鎖ですよね。

 奇しくも今日は、自分の初めての結婚記念日でもあります(照)。いつも支えてくれるパートナーに感謝して、私なりの優しさをプレゼントしたいなと感じました。(横)