先日、冒険家の三浦雄一郎さんが90歳で富士山登頂というニュースに目が止まりました。山岳用の車イスを利用したそうですが、その挑戦する意欲に感服しました。

 一時期、同僚が富士山をはじめ登山にハマり、何度か誘われたのですが、重い腰をあげることができませんでした。登頂した時の達成感は魅力ですが、実は、富士山に登った知人が体調を崩し、強い日差しで肌がボロボロになってしまったのです。そんな姿を見ていたこともあり、今に至るまで富士山には登ったことがありません。以前は、大手広告代理店の新入社員が富士山に登り、山頂のポストから取り引き先などに暑中見舞いを発送するという夏の風物詩もあったようですが、今も続いているのかは、わかりません。

 先の同僚たちに誘われて一度、山梨県内の山に登ったことがあります。正確には途中まで登り、そこからケーブルカーで山頂へ。その日はあいにくの天気で下山(下山は全行程、歩きました)する際は小雨が降っていました。慣れない私は、足を取られながらなんとか下山しました。その後、日帰り温泉に立ち寄ったのですが、靴下を脱ぐと両足の親指の爪が剥がれており、温泉に浸かるとジンジンと痛んだのを思い出します。山に慣れているはずの同僚も雨の中での下山で疲れたのか、露天風呂の湯船のキワで泥のように眠っていましたっけ。

 これから本格的な登山・トレッキングの季節です。登山家の深田さんが言うように「百の頂に百の喜び」があります。登山の目的は人それぞれでしょうが、山頂に立った時、疲れを忘れ景色を眺める喜びは共通しているように思います。この秋は自分の身の丈にあった登山・トレッキングを楽しんでみてはいかがでしょうか?(文)