推しのチームが下位に沈む一方で、タイガースが首位を独走する今年のプロ野球。シーズン終盤になり、《阪神 悲願の 「アレ」までまっしぐら》《阪神18年ぶり「アレ」なら経済効果◯◯◯億円》などの記事をよく見かけるようになりました。なぜ優勝のことをわざわざ遠回しに書くのか不思議でしたが、選手たちがプレッシャーを感じないように岡田彰布監督が「優勝」の2文字を封印し、「アレ」と言い換えるようになったのがきっかけだとか。昨年秋のファン感謝デーでは、監督のこんな挨拶が大ウケしました。

 「選手全員の力を結集して『アレ』に向かってまい進します! シーズンで『アレ』を勝ち取って1年後、またこの場所で『アレ』の喜びを分かち合いたいと思います」

 ここまで徹底されると、なんだか笑えてきますね。それだけが理由ではないでしょうけど、就任1年目で見事に結果を残している岡田監督。コトバスケット史上最短(?)のたった2文字ですが、ファンやメディアも巻き込んだ“言葉のチカラ”は侮れません。(純)