いやー、今年の夏は暑かったですね。東京都都心では9月7日までに真夏日(30℃超え)が64日連続を記録したというのですから、夏が長くなりすぎてびっくりします。

 でも日に日に夜の訪れが早くなり、夕方以降は涼しい風が吹くようになりました。家の近所でも、夜に虫の声がチラホラと聴こえます。でもなんの虫なのかはわからない。とにかく秋の雰囲気が漂う。夏との別れが来たようで、ちょっと寂しくなります(といっても暑さにはもう懲り懲りですが……)。

 秋の虫といえば『虫のこえ』。「あれ松虫が鳴いている チンチロ チンチロ チンチロリン♪」という歌です。耳を澄ませても「チンチロリン」が聴こえてきたことはなかったぞ……と思いネット動画で松虫の鳴き声を聴くと、実際は「チッチリリッ」というような音でした。「チンチロリン」は盛ったな。可愛いから許しましょう。

 秋の虫にまつわる言葉を探してみると「虫聞き」という風流な季語が。「秋の夜、野山に出て松虫などの鳴き声を楽しむこと」(デジタル大辞泉)という意味で、平安時代に始まるといいます。この秋、意識的に野原に行って虫たちの無料のオーケストラこと「虫聞き」を楽しんでみようかなと思います。(知)