いや~、今年は本当に残暑が厳しい……! 9月も後半に差し掛かるというのに、気温は30度を超え、クーラーが手放せないという、例年に増して酷暑の夏でしたね。
今回のコトバスでは、暑さにちなんで「暑気払い」をピックアップいたしました。
現代では、暑気払いといえば、納涼会、すなわち飲み会として受け取ってしまう人も多いかもしれませんが、語源は漢方医学(中医学)の「体内にたまった熱をうち払う」というところから来ているようです。
身体に熱がこもると「気」が滞ってしまうとされ、それに対処すべく、先人たちがさまざま方法で暑い夏を乗り越えて来たのですね。夏は夏野菜を食べるとよいとされるのも、身体の中の熱を取るといういわれからですよね。
そんな暑気払いの時期も、今と昔では大きく異なるのではないでしょうか。
きっと私たちが生まれる以前は、ここまで夏が長期化することもなく、9月後半まで暑気払いという言葉を使うこともなかったのかもしれません。そんな風に、時代によって言葉の使用場面がどんどん変化していくのも面白いものだなと思いました。
中盤でお話したように、暑気払いは本来、必ずしも“飲み会”のことだけを指すわけではないそうですので、お酒好きのみなさま、この言葉を聞いても浮かれないようどうかお気をつけください!(本)