
設置15年を迎えた「赤ちゃんポスト」と向き合い続けた女性記者、取材を重ねるたび大きくなった“疑問”と“葛藤”
熊本市にある慈恵病院が「こうのとりのゆりかご」、いわゆる“赤ちゃんポスト”を設置したのは2007年。親が養育できない子どもを匿名で託せる赤ちゃんポストには、賛否両論あったものの、「子どもの命を救うのが最重要」として、当時の市長が設置を許可したのである。そんな赤ちゃんポストを2015年から取材し続けてきたのが、元熊本日日新聞記者の森本修代さんだ。当時、彼女は紙面を編集する部署にいた。新聞の見出しや紙面のレイアウトを作る内勤業務だ。そんな彼女がなぜ赤ちゃんポストと向き合うことになったのか。取材する中で見えてきたこととは──。