暗黒批評家・後藤護さんがSNS全盛の令和にこそ「黒人音楽」を通して探りたかったものとは 『黒人音楽史―奇想の宇宙』(中央公論新社)の著者で暗黒批評家及び映画・音楽ライター、翻訳家の後藤護さんインタビュー第2弾をお届けします。第1弾では、一見結びつかないようなブルースと鳥獣戯画を合わせて論じた背景などを伺いましたが、後半の話題はジャズやヒップホップについて。そうした黒人音楽から見えてくるのは、どのような風景だったのでしょうか。 2023.05.19 21.00
ブルースと「鳥獣戯画」はリンクしていた!? “暗黒批評家”がいざなう目からウロコの黒人音楽の世界 暗黒批評家で、映画・音楽ライター及び翻訳家でもある後藤護さんが、黒人音楽の精神史を異端的な観点からアクロバティックに論じた批評集『黒人音楽史―奇想の宇宙』(中央公論新社)。取り上げられるジャンルは、黒人霊歌、ブルース、ジャズ、ファンク、ホラーコア、ヒップホップと幅広く、特に黒人音楽の真髄だという「知性・隠喩・超絶技巧」に着目しています。また、本書では一見、黒人音楽と関係がないような古今東西のあらゆる文献と交錯させて論じられており、他に類を見ない、まったく新しい批評集となりました。著者の後藤さんに、黒人音楽を論じた背景について聞きました。 2023.05.19 20.00
「人間は植物より偉い」は本当?『植物考』著者と見つめ直す、現代人が圧倒的に忘れていること 植物は私たちの生活において、意識せずともいつも身近にある。室内の観葉植物、庭の花壇や家庭菜園を愛でている人はもちろん、そうでなくとも普段歩く道では雑草を目にしているだろうし、毎日のように野菜を口にしているはずだ。しかし、人々は無意識に植物を下等なものとみなしていないだろうか? はたして本当に人間は植物よりも高等なのか? そうした問いのもと、植物のふるまいについて歴史学や生物学などを横断して論じた書籍が『植物考』(生きのびるブックス)。植物に対するステレオタイプが次々と崩されていく快著だ。著者の歴史学者・藤原辰史さんに、植物を通じて見えてきたことについてうかがった。 2023.04.19 20.30
「鼎の軽重を問う」「独壇場」「ひもとく」の正しい意味、知ってますか? 宮崎哲弥が抱く「若い人は昔の新聞を読めるか」という懸念 “言葉のエキスパート”でもある評論家・宮崎哲弥さんへのインタビュー第2弾! 第1弾では、中学校から続けているという「語彙ノート」をつけ始めたきっかけや、言葉というものに対する考察などを伺った。後編では、新著『教養としての上級語彙―知的人生のための500語―』(新潮選書)で取り上げられた実例を多く交えながら、今の時代における言葉の変化や誤用について思うことを話してもらった。 2023.02.25 11.00
宮崎哲弥「大人の国語力を立て直したい」と“上級語彙”を厳選、使える言葉を増やすことでもたらされる多大なる恩恵とは? 博覧強記の評論家・宮崎哲弥さんの新刊 『教養としての上級語彙―知的人生のための500語―』(新潮選書)。中学生のころから「語彙ノート」を作ってきたという宮崎さんが、そこに書きためた1万を超える語彙の中から、ワンランク上の“上級語彙”を厳選し、紹介している。本書を読み始めると、まずその構成に驚くはず。宮崎さんが自ら厳選した“上級語彙”のオリジナル解説や、太宰治や谷崎潤一郎らの名著の一節がつづられているのだが、解説文や引用文の中で新たに出てきた“上級語彙”にも、さらに語釈や作例が入る。その中に使われる“上級語彙”にも同様の解説がなされることが繰り返され、まるで言葉の奥深き迷宮に分け入っていくようなつくりになっているのだ。このような「語彙本」を執筆した背景とは? インタビュー記事の第1弾では、宮崎さんに「言葉」や「語彙」について思うことを聞いた。 2023.02.22 11.00
純喫茶2000軒を訪れた難波里奈さん、「開拓者」になった理由と思い描く純喫茶の“未来” 昭和時代の名残を残す「純喫茶」を愛(め)でる難波里奈さん。普段は会社員として働きながら、仕事帰りや休日に全国各地の喫茶店をめぐっている。これまでに訪ねたお店は、なんと2000軒を超えるという。そんな難波さんに、2022年3月末をもってその歴史に幕を下ろした東京・神田の『コーヒーショップ カスタム』で、閉店の前日にインタビューをした。純喫茶の魅力や通いつめることになった経緯、カスタムでの思い出と、長年の活動を経た現在の関心について話を聞いた。 2022.04.24 12.00