“カレー女子”と呼ばれてから約10年、異色の評論作家・手条萌さんが会社員をしながら本を出し続けるのはなぜ?
平成元年生まれの評論作家・手条萌さんは、平日は会社員をしながら休日に評論を書いている。2016年、手条さんは初めての商業出版となる著書『カレーの愛し方、殺し方』を刊行。それをきっかけに、数々のテレビやラジオに出演した。手条さんは当時を振り返ってこう話す。「あのころは、メディアで“わかりやすいキャラ”を作らないとダメだと思い込んで、“カレー女子”として、『カレーのおすすめ店ランキング』とか、論じることがメインでない仕事の依頼も受けていました。でも、だんだんと気づいてきたんですよね。私が書きたいのは、思考のきっかけを誰かに与えることのできる評論だって」手条さんが抱いた思いは、10年近く経った今も変わっていない。