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葬式の類は一切無用のこと。弔問、供物の類は全て固辞すること。生者は死者のためにわずらわされるべきにあらず。

梅原龍三郎

 昭和61(1986)年に96歳で亡くなった洋画家・梅原龍三郎さんの遺言だそうです。
最近は同様の「終活」をされている方々も多いのではないでしょうか? たしかに遺族にとって、お葬式は悲しみに沈む間もないほど煩わしいことも多いものです。

 いただいたお花を飾る順番、弔電はどれを読み上げるのか、通夜振る舞いのメニュー選定、弔辞はどなたにお願いするべきか、香典返しの段取り、火葬場まで来られる方々を誰にするのか……。他にも棺や霊柩車、骨壷までいくつかの候補から1日か2日で決めていかねばなりません。私の知人はお父様の逝去に際し、家族葬にして少しでも負担を減らそうとしたそうです。しかし後日、亡きお父様のご友人が「われもわれも」と休日のたびに弔問に訪れる事態になったとか。しかもそれが数か月続いたそう。「老母とともに疲れ切った」と話していました。梅原さんは、生きている人の時間を死者が奪ってはいけないと考えたのかもしれません。

 さて明日、安倍晋三元首相の国葬が営まれる予定です。亡くなった後に旧統一教会と国会議員との関係がクローズアップされ、いわゆる「宗教2世」と呼ばれる方々の苦悩などが明るみに出てきました。様々な観点から国論を2分した末に開催されることになった国葬。お亡くなりになった安倍さんの胸の内はわかりませんが、国葬の招待状が届いた、あるいは届かないなどと大騒ぎして生者を大いに煩わせたことだけは確かです。(文)

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