放浪の画家、山下清さんの言葉です。
私は芦屋雁之助さんが演じた山下さんのイメージが強いのですが、ドラマでは放浪の彼がたどり着いた村々で、騒動を巻き起こしながらも最後はハッピーエンドというストーリー。余計な騒動を持ち込み、ひんしゅくを買っていたその放浪の人が実は有名な山下清画伯だと気づかれる間際に「上手に逃げて」いるシーンがお決まりでした。
気づいた人々が「山下センセ〜」と追いかけてくるのを時には動き出した汽車に飛び乗ったり、時には物陰に隠れてやり過ごしてみたり……。
実際の山下さんはそんな騒動を巻き起こすようなことはなかったのでしょうが、この言葉は「放浪の画家」の一面を表しているように思います。
今年は山下さんの生誕100年を記念した展覧会も開かれているようです。メンタルケアが叫ばれる昨今、時にはこの言葉を上手に取り込んで見るのもいいのではないかと思います。（文）