森を育て次世代へつなぐ活動も

 もちろん、薬品などは一切使用しない。化学検査で水の成分こそチェックするが、水に異常がないかを調べるために、官能検査員と呼ばれるエキスパートが目、鼻、舌で確認する。各工程における味やにおいの違いを判別できるというからオドロキだ。

 それにしても包装ラインを見ていると、大量の天然水が次々と運ばれていく。いつか資源がなくなってしまうのではないか!? なんて心配してしまう。

「採水しすぎないようコントロールしているので、ご安心を(笑)。それにみなさんの想像を超えるほどに、森はたくさんの水を育んでくれます。われわれは、全国の工場で汲み上げる地下水の2倍の水を育む森を育てているんですよ」

 サントリーでは全国15都道府県で21か所に「天然水の森」をつくり、水を育む活動に取り組んでいる。その多くは工場とは関係なく、豊かな森と水を守り次世代へとつなぐ環境活動が目的なのだそう。

 普段、気にもせずに当たり前のように飲んでいた天然水だが、工場見学を終えた後はなんだかいつも以上においしいと感じてしまう。水への理解と感謝を学べる──、“水と生きる”大切さを教えてくれるツアー、オススメです♪


大人の特権!? 「白州蒸溜所」で希少なウイスキーを試飲したい

 南アルプス白州工場では、「白州蒸溜所ツアー」と題して、臨場感のあるウイスキー製造工程を見学することも可能だ。木桶発酵槽やさまざまな蒸溜釜に加え、中に入った瞬間に鼻腔にぽわ~んと届く華やかなウイスキーの香りが漂う貯蔵庫も見学するため、参加は20歳以上(所要時間約80分/参加費1人1000円)。原料、仕込み、発酵、蒸溜、貯蔵という具合に、ウイスキーができあがるまでのプロセスを解説つきで教えてくれるので、「へぇ~」と唸ってしまうこと必至! もちろん、見学後は今や入手困難の世界が認めたシングルモルトウイスキー「白州」や希少なモルトウイスキー原酒(非売品)のテイスティングも楽しめる。美味しいハイボールの作り方を教えてくれるなど、帰宅後に活かせるのもうれしい!

蒸溜釜は大きさや形状が異なることで多彩な味わいを生み出す

■サントリー天然水 南アルプス白州工場
山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
営業時間 9:30~16:30(最終入場16:00)
休業日 年末年始・工場休業日(臨時休業あり)
参加費 無料

(取材・文/我妻弘崇)

(週刊女性2020年1月28日号掲載)