親のボキャブラリーが子どもの国語力に影響する
Q7:夫婦の会話が多いと国語力が上がる?
「これも○。お子さんの国語の成績が悪いという相談は多いのですが、そう訴えてくるお母さん自身にボキャブラリーが少なく、きちんとした言葉遣いのできない方が目立ちます。会話の機会が乏しいのかもしれません」
子どもは親から言葉を学ぶ。自分に向かって話された言葉だけでなく、身近な大人である父母の会話からも学んでいるのだ。
「夫婦の会話が少なかったり、“てにをは”が正しく使われていないようでは、子どもは正しい日本語を学べません。国語力を向上させたいなら、親は、会話を増やすことが欠かせないのです」
Q8:質問されたら「辞書で調べなさい」が正解?
「×です。子どもにとって辞書は、わからない言葉を、別の抽象的な言葉に置き換えているだけのもの。自分で調べろと言うより、親が自分の言葉で説明してあげるほうがいいでしょう」
親がいつも正確に説明できるとは限らないが“これはこういう意味じゃないの?”と言うだけでも十分だとか。
「正確でなくても、言葉を取り巻く周辺部分の情報は子どもの耳に入っていきます。それを手がかりに言葉の核心をつかんでいけるのです」
教えるより、親子で会話することのほうが大切なのだ。
コロナで休校。家ではとにかく長く勉強させるべし?
「今のような非常時は、勉強よりも、生活のリズムを整えることのほうがずっと大切。夜遅くまでゲームをやって、昼ごろ起きるような生活ほどよくないものはありません。
長時間にわたって勉強させようとするよりも、算数のプリントと漢字のプリントを1枚ずつなど、ちょっとした時間でできる課題を決めて、それを続けるようにさせてください。目安は、算数と国語の場合、それぞれ“子どもの学年×10分”。1年生なら算数10分、国語10分の計20分で十分です。これができるお子さんは、さらなる勉強にも十分に対応することができますよ」(西村先生)
教えてくれたのは
西村則康先生
有名最難関中学に2500名以上の合格実績を持つ、プロ家庭教師集団「名門指導会」主宰。受験に家族を結束させる指導法に定評がある。最新刊『子どもの学力を伸ばす親 ダメにする親』(KADOKAWA)ほか著書多数。
(取材・文/千羽ひとみ)
(週刊女性2020年5月5日号掲載)