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音楽

KinKi Kids、ギネス記録に隠れがちな堂本光一と堂本剛の“本当にスゴイ部分”

SNSでの感想
デビュー翌年、'98年のKinKi Kids(写真左から堂本剛、堂本光一)
目次
  • ギネスに隠れたKinKi Kidsの魅力とは
  • 自作曲がひとつのアクセントに
  • 実は“紅白にもっともふさわしい歌手”!?

 4月28日に発売されたKinKi Kidsの映像ソフト『KinKi Kids O正月コンサート2021』が、オリコン週間BD(ブルーレイディスク)および週間DVDの両ランキングで1位を獲得した。本作は、彼らにとって初の配信ライブを映像化したものだ。

 KinKi Kidsは、1997年のデビュー作『硝子の少年』から2020年の通算42作目『KANZAI BOYA』までのシングルが、24年間ずっとオリコン初登場1位。これはギネス世界記録にも登録されているが、今回のように映像ソフトやCDアルバムにおいても、最低でも10万枚前後というヒットを継続している。

ギネスに隠れたKinKi Kidsの魅力とは

 ただ、初登場1位をキープしているとはいえ、ここ10年ほどは2~3週でTOP10から外れてしまう状況が続いている。上位に2~3か月とどまるようなロングヒットのCDといえば『硝子の少年』('97)、『全部だきしめて/青の時代』('98)、『フラワー』('99)、『夏の王様/もう君以外愛せない』('00)と、いずれもデビューから数年のもので、はたから見ればコアなファンだけが買い続けているようにも見える。

 しかも、今や定額聴き放題のストリーミングサービスが主流になりつつある。あいみょんもOfficial髭男dismも、10万枚を超えるCDシングルはほとんどないが、1億回以上再生された大ヒットが何曲もある。だがKinKi Kidsは'21年5月現在、ストリーミングには楽曲がなく、YouTubeで一部の動画が公開されているだけだ。

 そのため若い世代には、KinKi Kids自体がやや縁遠い存在なのかもしれない。実際、KinKiの2人も、共演するタレントが「学生のころ、大ファン“でした”」と熱弁するたび「昔は、人気あったからなぁ」と自虐的に返すのがお決まりになっている。

 しかし、実際に楽曲を聴いてみると、コア向きどころか、むしろJ-POPのど真ん中をいく音楽を続けている。さらに、J-POP以前のフォークや歌謡曲世代の人も、'10年代以降のポップスが好きな人にも受け入れられる、数少ないアーティストだと思うのだ。そこで、ギネス記録に隠れがちな彼らの魅力をまとめてみた。コアファンの方にとっては当たり前のことばかりかもしれないが、優しい目で見てもらえたら嬉しい。

1. 歌謡曲時代のポップスから最新のJ-POPまで歌える唯一無二のアーティスト

 KinKi Kidsの音楽における多様性は、J-POPアーティストの中でも類まれではないだろうか。彼らには、作詞:松本隆、作曲・編曲:山下達郎の『硝子の少年』を皮切りに、『LOVE LOVEあいしてる』(フジテレビ系)で共演していた吉田拓郎が作曲した『全部だきしめて』、堂本剛がファンであるDREAMS COME TRUEが作詞・作曲を手がけた『ね、がんばるよ。』、THE YELLOW MONKEYの吉井和哉による『薔薇と太陽』といった、一流のシンガーソングライター勢による作品がある。

 また、前述の松本隆作詞曲をはじめ、筒美京平が作曲した『やめないで,PURE』や、'90年代のビーイング・サウンドの核となった織田哲郎作曲の『ボクの背中には羽根がある』『Anniversary』などヒット作家によるものから、後述する堂本光一と剛が手がけた自作曲まで、幅広い作家の楽曲が網羅されている。

 最新アルバム『O album』でも、作詞:堂本剛、作曲:堂本光一の流麗なポップス『Topaz Love』のほか、松本隆、細野晴臣、久保田利伸、松井五郎、織田哲郎といった大御所作家やアーティストが並ぶうえに、声優や歌手として活躍する坂本真綾、新進シンガーソングライターの竹内アンナと、相変わらず多彩だ。それゆえ、KinKi Kidsの楽曲はキラキラなアイドルポップ路線から、楽器がうねりまくるファンキーな楽曲、さらに旧来のフォーク歌謡曲風のものまで幅広い

 重要なのは、単に寄せ集めたのではなく、それらどれもが彼ららしくハマっているということだ。彼らはレギュラー番組『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)にて、光一が「位置について、よーい……しょっと」と、すべり芸をするくらいに全力でバラエティーに取り組んでいるが、音楽もまた全力投球なのだ。

 ちなみに、彼らのコンサートでバンド・マスターを務めるのは、'70年代からバックバンドの演奏やアルバム制作に携わってきた現在71歳のベーシスト・吉田建。また、シンガーソングライターの堂島孝平も、20年近く共同プロデュースを手がけている。そんな“音楽界のマエストロ”らと信頼関係を築けているのも、アーティストとしての器の大きさに関係しているのだろう。

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