占い師を副業にするなら
もしも占い師を副業にできるとするなら、どんな能力が必要になるのだろうか。
「最初は恋愛相談から始まるけれど、実は心の底に多様な悩みを秘めている人が多い。占い師にとって大切なことは、占いのスキルは当然ですが、相談者が本当に求めているもの、悩んでいることを引き出すことです。
相談者の本心を引き出せる言葉が、相談者の心を開くカギになります。客のニーズを感じとる鋭いマーケティング能力ですね。コミュニケーションスキルが高い人が向いているのは間違いなく、それはリモート占いでも同じです」
では、どんな占いが学びやすいのか。
「西洋占星術や風水などは覚えることが多いですね。占う手段として習得しやすいのは、タロットカードなどカードを使うものや、『ダウジング』などイエスとノーで答えが出るものです。答えを導き出すためのトレーニングは必要ですが」
スキルマーケットにはいちから占い師を目指す人に向け、リモート教室が多数開催されている。「ストアカ」には、占い師による「占いを仕事にする」ための教室などもあった。受講料はオンラインで1時間3000円程度。年代はさまざまだが、基本的に相談する側だった人が多いそうだ。
■おもな占いの種類
【西洋占星術、四柱推命など】……生年月日や生まれた場所などをもとにした占い。備わった特徴や性格、いつか訪れる運命などを占う。
【霊感占い】……占い師の霊感や直感の能力を含め、未来を占う。個々の霊力に左右されるため、占い方や得意分野はさまざま。
【手相、風水など】……手のシワや物の形などから運勢を読み解く。人生の転機を占うのに役立つ。手にシワを描き足すことでも変化が。
【タロット占い、易占いなど】……カードや道具を使い、偶然に起こった事柄をもとに占う。人の気持ちや近い未来を占う場合に向いている。
副業で月収70万円も夢じゃない!
占い好きな人の中には本格的に学び、占い師を副業にする人もいる。その1人、林知佳さん(33歳)は、人材業界で働きながらリモート占い師として活躍中だ。
「タロットカードを使い、今は1日2~3時間を目安に、ビデオ通話形式だったり、チャット形式で占っています」
そのきっかけは27歳のときの大失恋だった。リモートでできるありとあらゆる占いをしたことが始まりだと語る。
「現実を受け入れられず、2か月で30万円ぐらい占いにお金をつぎ込み、ある日、われに返って(笑)。『私にも占えるかも』という思いがわいてきました。絵で見て学べるタロットカードに興味を持ち、やり方はYouTubeを見て独学で習得しました」
6年前より「ココナラ」にタロット占いを出品。副業の最高月収が70万円に達したこともある。
「経験を積むため、最初100件は無料で鑑定をしたことで、人とのつながりができました。現在はLINEトーク占いがメインで1分150円、個人鑑定では3000円からお受けしています」
最初は無料で受けることで場数を踏む。占いスキルだけでなく、トーク技術や“顧客の常連化”についても実地で学びを深めていった。
占い師のやりがいは?
「自分が生きてきた過程や経験をベースに占い師をやること、“自分らしさ”を忘れずに、そして“稼いでやろう”という気持ちを強く持ちすぎないことで、結果的にいろんな人と出会え、鑑定数が増えていると感じています。
かつて占いで大金をつぎ込んだ経験があるからこそ、“お客様を占いにハメる”占い師さんは増やしたくないと思っていて。占いの仕事を純粋に楽しいと感じてくれる人が増えるのがやりがいです」