アップデートされていく学校
個人情報保護の観点から姿を消したものもある。子どもたちの住所や電話番号が記載されている「連絡網」は、今ではメールの一斉送信に切り替えられた。
「学校・学年・クラス単位で送ることが可能で、休校連絡などが主な使い道。学校によっては“手紙を配り忘れました”“宿題を変更します”など、細かな連絡をしているところもあります」
とMさん。個人情報の保護が重視され始めたのは1990年代から。
「当時は学習塾や着物業者などによる名簿の買い取りが頻繁にあり、罰則もありませんでした」(渋井さん)
同じく個人情報保護や子どもたちを不審者から守るために、名札の取り扱いも変わりつつある。
「名札をつけて登下校させることはやめました。学校内にいるときだけつけるように指導しています。そもそも名札の目的は、教師が生徒を褒めたり注意したりするとき、名前を呼べるようにするためなので」(Sさん)
時代とともに学校もアップデートされているのだ。
(取材・文/高橋もも子)
(週刊女性2021年9月21日号掲載)