1位『育ちがいいね』988票
「馬の品種みたいで下品」(20代女性)、「育ちを話題にする人の育ちが悪いなと感じます」(40代女性)、「お育ちが、って今は令和ですよ(笑)」(30代男性)。「会社で“育ちがいい”は差別用語になるから使用不可と教えられました」(20代女性)
圧倒的な票を集めたのは、ネットニュースにもよく上るこの言葉。昨年2月に発行された書籍『「育ちがいい人」だけが知っていること』は40万部以上を売り上げる一方で、作者がテレビ番組に出演し炎上したことも。この言葉の何が人々を不快にさせるのか。
前出の渋井さんは、
「池袋の自動車事故を起こした“上級国民”、疑惑の人物と結婚した元皇室女性など“育ちがいい”人に対する不信感なども影響しているんでしょう。家柄や学歴がよくても、そぐわない行動を起こす人が目立つ傾向にあります。それとは別の理由で、やはり“私とあなたは違う”という分断のように感じてしまう人も多いのでは。それが1位につながったのだと思います」
と分析する。続けて、
「これ、褒め言葉とは限らないんですよ。育ちがいいね=何もできないけど育ち(だけは)がいいね、という嫌みとしても使われているんです」
取り扱い注意な言葉なのは間違いなさそう。
2位『ワクチン打った?』763票
「ハラスメント以外の何ものでもない」(30代女性)、「ワクチンの話は打つのも打たないのも人前で話すべきではない」(50代男性)、「これを聞いてくる人は信用しない」(40代男性)
まさに今年ならではの話題。コロナワクチンだけではなく、インフルワクチンや「ワクチン打った」報告も同様だという。ワクチンの話は言わない、聞かないが鉄則!
「アンケートを夏にとっていたらこれは1位だったでしょうね。ワクチンの供給が追いついてきて(口にする人が)減っているように感じます。しかし、ワクチン陰謀論を話題にしているSNSのコミュニティーサロン・クラブハウスではいまだに人気です。通常、50人入れば人気といわれるのですが、陰謀論には200人は入っていますから。ワクチンの話は匿名ならば話題にしたい、という人が多いのかもしれません」(渋井さん)
3位『リモートで羨ましい』643票
「リモートしていることが楽していると思われているみたいで言ってほしくない」(30代女性)、「家のこともしなきゃいけないし通勤のほうが楽。休んでるみたいに思われて腹立たしい」(30代女性)、「妻や子どもに気を使って家で仕事するほうがつらいのに」(40代男性)
楽していると思われるなんてたまらない!
「ニュージーランドの調査ではリモート作業のほうが効率が上がるというデータがあるのですが、日本は逆に効率が下がるというデータが出ています。それは日本の住宅がリモートに向いてないからです。そのための個室もなければ、Wi-Fi環境も安定していない、通勤をしないという利点しかないというのが実情。イメージだけでリモート羨(うらや)ましいというのは恥ずかしいですね」(渋井さん)
4位『ググって』621票
「ネットにある情報がいいかげんなものばかりなので、ググるのは逆に危険という認識です(笑)」(20代男性)、「ググって正解があると思っているのがおかしい」(20代女性)
インターネット上にある情報にあまりにも嘘が多いことが影響しているのだろうか。
「例えば上司が言っている場合は、“ググって”と自分が説明できないから調べろというふうに聞こえる。しかも上から目線っていう。それに最近はググるという単語自体が死語に近いです」と渋井さん。
ググレカスという言葉も流行(はや)ったが、今ではググったらカス!?