美容情報があふれる昨今、いろいろ試してみても肌の調子がよくならないとお悩みのみなさん! もしかして「肌にいいと思ってやってること」がすべて裏目に出てたらどうします? 『女医が教える、やってはいけない美容法33』の著書がある皮膚科医の慶田朋子先生に詳しく教えてもらいました。マスクの下の素肌に自信がない人は必見!
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正しいやり方に戻せば肌はリカバリーできる
乾燥により肌トラブルが増えるこの季節。きちんとケアしているのにつっぱったり、粉が吹いたり……。
「間違った美容法で肌トラブルを起こし、病院に来られる人も多いです。現代は美容情報があふれすぎていて、自分に合った方法を見極めるのがむずかしく、あれこれ試しすぎて肌状態を悪化させている人も」(慶田先生、以下同)
特に慶田先生が心配するのはマジメな人やコスメ好きの人だ。やればやるほど健康な肌を殺すことになりかねない。
「SNS上でも発言の裏付けがない『NG美容』が広がっています。肌質は人それぞれ。生活習慣や遺伝、年齢などによって変わります。よかれと思ってやっていたことが老化を加速させていることもあるのです」
また、昔からやっていた方法が間違っていることもある。
「肌のバリアの要である『角層』が入れ替わるのは、10日〜2週間。正しい方法でケアをしていれば、肌は必ずよみがえりますよ」
スキンケアの基本はこすらずやさしく洗うことと、潤いを守る保湿ケアをすることだ。
「質の高い睡眠や栄養バランスのとれた食事をとるなど、肌再生のプラスになるような生活習慣を心がけることも大切です」
慶田朋子先生 ◎銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。皮膚科専門医、レーザー専門医。医療やスキンケアに関する豊富な知識とわかりやすい説明でテレビ、雑誌などで活躍中。『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など著書も多数。
では、慶田先生に指摘するNG美容を紹介します。
【NG】乾燥肌なので朝の洗顔はお湯だけ
⇒ 肌トラブルを防ぐためにも洗顔料を使おう
就寝中に分泌される皮脂は、お湯だけでは流せない。空気に触れて酸化してしまった皮脂は、そのまま放っておくと肌のバリア機能を乱し、毛穴が詰まったり、吹き出物ができやすくなる原因にも。また、夜の手入れで使った化粧品の油分も皮膚の上で酸化してしまうので、翌朝には洗顔料を泡立ててやさしく落とすことが大切。新たに分泌される皮脂から作られる皮脂膜によって、乾燥しにくくなる。
【NG】収れん化粧水をパッティングして毛穴ケア
⇒ 化粧水は手のひらで包み込むようになじませる
そもそも化粧水は、失われた角層のうるおいをサポートするものなので、肌の表面にのせるだけでいい。特に収れん化粧水は、肌の過剰な皮脂を抑えて毛穴を引き締める役割をするので、成分を奥まで浸透させる必要がない。通常のスキンケアの最後にTゾーンに塗るだけで十分だ。過度な使用は乾燥を招き、かえって毛穴を目立たせてしまうので要注意。また、コットンでたたいても毛穴は引き締まらず、肌の奥にも浸透しない。コットンの摩擦で肌の表面を傷めることもあるので注意したい。
【NG】保湿クリームをぬるときはすり込むように
⇒ 内側から外側にスッとのばす程度で十分
保湿クリームは本来、肌の表面にある角層を潤わせながら内側からの水分の蒸発を防いだり、外界からの汚れなどを防ぐバリアとしての働きをする。しかし、この油分の膜はしっかりぬり込んでも肌の奥には届かないうえ、肌を押したりこすったりすれば刺激を与えてしまう。その結果、バリア機能が弱まったり、シミやシワができてしまう可能性もあるので、ぬるときはやさしくのばすことを心がけて。ぬる量も使用量を守ろう。