今年でキャリアスタート50年。女優であり、映画監督でもある桃井かおりさん。エイジレスでパワフルな生きざまは女性の憧れだ。そんな桃井さんがインスタグラムにアップする、おいしそうな料理やロサンゼルスでの暮らしが話題! 元気のヒケツは「料理」だと語るご本人に直撃してみた。
“つながる”ことの大切さを知る
現在、アメリカのLAを拠点にしている桃井さん。2015年に結婚した夫と暮らしているが、コロナ禍に突入すると、生活は激変した。
「最初、LAは撮影もストップし、街から車が消えてレストランも閉まってしまって。自由に外出ができなくなり、旦那と家で食事をとるしかない日々に戸惑いました」
インスタは2017年から始めていた。誰にも会えず、撮るものもないので、ただ食事を載せることしか思いつかなかったという。
「でもインスタにアップし始めたら、日本からも『桃井も作ってるなら私も頑張ろう!』とか、『家(うち)も今夜はそれにする!』ってレスポンスがあって、どんどん同志ができたの。投稿を誰かが見てくれていることで、桃井も支えてもらっているというか……」
友人や仕事から切り離された桃井さんは、「明日のご飯、何にしよう」と思っているような主婦とつながりたいという思いもあったと話す。
「今まではあんまり人とつながりたいなんて思っていなかったの(笑)。コロナ禍だからこそ手にしたうれしい感触ですね。インスタに関しては、まあ、強いて言えば“無駄な発信”を心がけています(笑)。今は無駄話ができる友達ができた感じですね」
実は料理が得意な桃井さん。いつ見てもインスタには野菜たっぷりの料理が投稿されている。そんな彼女には食に関するセオリーがある。
「基本的にフードロスは出しません! もともと日本とLAを行き来していたので、よく野菜が余りそうになることが多くて。そんなときは、お漬物やスープにしたりして、頑張って食べ尽くしますよ」
食べたいものは自分で作る
さらに「食べたいものを食べる」というのが絶対のセオリーだ。
「桃井たちはその日のご飯がおいしければ幸せ。桃井は『桃井屋』のオーナー兼コックだと思って毎回作っているんですよ。それもうちは今、常連さんがたった1人(旦那です)なんで、同じ料理を出すときはお皿やテーブルクロスを変えたり、提供の仕方を変えて必死で営業しています(笑)」
特に日本食は自分で作る。インスタをまとめた書籍『かおり的家ご飯』でも、渡米前に習ったワザを披露している。
「基本、日本食は外食ではなく家で食べるというのがわれわれ夫婦のスタンス。特にお蕎麦(そば)が好き。おいしいお蕎麦が食べたくなると、どうしてもホームシックになるので、こっちに来る前に、蕎麦を習ってきたんですよ。ついでにお寿司も握ります」
最近は夫婦で食事をとる回数が1日2回に。
「1日3回、ご飯を作るというのは結構な労力と愛情も必要。いつも『あと何年生きられるんだろう』『10年くらいだと思っとこうよ』って2人で話しているのよ(笑)」
いつまでも若々しい桃井さんに、食生活で気をつけている点も聞いてみた。
「ゴボウやひじきとか、日本では見向きもしなかったし、サラダも一切、食べなかったけどLAに来てからはすごく食べるように。あと、料理するときは油と塩は少なめです。健康のため、バターと砂糖はうちには置いてないです」
生活にメリハリをつけることも心がけている。
「何もない日も7時にはとにかく起きて1日を始める、って感じでしょうか。あとは、旦那と屋上でストレッチをしています。最近始めたのはスペイン語の勉強。前にメキシコ映画に出たんですが、断捨離してたらその台本が出てきて。あのときは意味をほとんどわかっていなかった(笑)。今、やり直しているとこです」