2021年もあと少し──。これから大掃除を計画している家庭もあるだろう。今年は思い切って普段は片づけない場所にも手をつけてみては? 何十年も眠っていた意外な『お宝』が出てくるかもしれない。
処分する前にプロに査定してもらおう
東京郊外に住む主婦の鈴木順子さん(仮名・60代)は築50年、5LDKの自宅で70代の夫と2人暮らし。2人の子どもは成人して家を出ており、鈴木さん夫婦も来年、駅に近いマンションへの住み替えが決まっている。
だが自宅にはかつて同居していた夫の両親も含め、6人分の大量の荷物がある。
「年末に親や子どものものを片づけよう」と計画した鈴木さん。でも、自宅で眠ったままになっている荷物を処分する前に、プロに査定をお願いするのもひとつ。思わぬ高額アイテムが見つかることがあるからだ。
『おたからや』を運営する株式会社いーふらんの鑑定士、舩久保龍一さんに聞いた。
「高額買い取りの代表的なものは金、貴金属。ダイヤモンドやエメラルドなどの宝石類。これらは少しの量でも高値で引き取ってもらえます」
最近では金の相場は急上昇中。手のひらにのせられるほどの量でも50万円から100万円になることもあるという。
「バブル期に20万円くらいで購入した金のアイテムが、160万円くらいの価値になっていることもざらです」(前出・舩久保さん、以下同)
金を使ったモノの中でも意外なアイテムが高額で買い取ってもらえることがある。
「例えば金歯です。2、3個で5万円、6万円になることもあります」
一方で高く売れる、と思いきや売れないモノもある。記念硬貨だ。
「古いもの、昔のデザインだとしても、日本国内では貨幣として認められているものなので現金と同じ金額です」
ただし、記念硬貨でも発行枚数が少ないものなど、中には金額よりも高くなる場合も。
さらに、貨幣でも印刷がずれたエラー硬貨やゾロ目の紙幣などは高値で取引されるケースも。小判など江戸時代の貨幣の中には、素材の金の価値と歴史的価値もつくため、高額になることもある。
「処分を迷っているのなら、プロに鑑定してもらい、価値を調べてください」
そのうえで残す、譲る、処分するかなど決めるのも一案だ。だが、売る際にはその業者の見極めも大切だと、舩久保さんは注意を呼びかける。
「実は近年、買い取り業者が増えており、悪質な業者も数多く存在します。査定に出す際にはしっかりとした認知度や知名度がある大手業者など信頼できる店を選んでほしい」