オトコで失敗したら──
現在の夫は2歳下の音楽ディレクター。相手も妻と別れて再婚だった。結婚は2度目のほうがうまくいくのでは? と水を向けてみた。
「そうですよ。私たち夫婦も “結婚2度説”ってのをとなえてるの(笑)。付き合って10年だけど、楽しくてしょうがないもん。いっぱいしゃべれるし、愚痴も言い合える。
映画の趣味は違うので、見たあとで “俺、この手のはわかんないや”とか言うけどね。でも、一緒に散歩したりとか楽しいじゃん。やっぱり “2度説”ですよ」
最初の結婚では苦労も多かったのだろう。女の子をふたり授かったが、2004年に離婚。
「やっぱり若いときの勢いとかいろんなものがあって結婚するんだけど、失敗したと思ったらガマンしないで、さっさと別れたほうがいい。
だって “人生100年”って言われてる時代ですよ。気の合った人と楽しく暮らしたらいい」
金銭的にも、一時はとことん困窮した。
「うん。でもお金のことがなければ、私はあの人の本質がわからなかったから、結果よかったのかもしれない。困難が降りかかってきたときに、人間の本質が出てくる……。
ふだんは本当にやさしいし、人当たりのいいオッサンなの。でも、違ったんだよ。子どももいるのにさ “もうちょっとしっかりできないの!?”と。“もういいや”と思って(笑)」
捨て身で自分自身の人生を生きてきた、という自負がある。再婚するにあたっては、イチからやり直す覚悟だったという。
「いまのダンナだって本当に甲斐性があるか、そんなのはわからない。何か大変な困難に直面したらさ、“こいつ、こんなんだったの!?”ってなるかもしれない。人ってわかないですよ。だから幸せなのは、何もこなくて、そのまま付き合って……そういう夫婦って奇跡なんですよ。
そうじゃなくても30年もたったら、まったく会話がなくなったりとかが普通。でも、あんまりいないけど、本当に仲よしの夫婦もいるからね。うらやましいよねー」