店づくりのキーワードは「宝探し」
──商品を仕入れたり、作ったりする際に重要視していることはなんでしょうか。
辻さん:付加価値のあるものが大切だなと思っています。正直、弊社で売っているものって、100円均一でもそろうものだと思うんです。だけどお客様は、生活に色を添えるためにちょっと高くても買ってくださいます。ステーショナリーにしても内容量が少なくて、普通なら「これで500円するの?」と思う場合でも買ってくださる。その付加価値っていうのは、弊社が大事にしていかなきゃいけないものだと思っています。
──店舗のお話も伺えればと思います。「ブルーブルーエ」「マルシェドブリューエプリュス」「デトールアブルーエ」の3つのブランドを展開されていますが、どんな違いがあるのでしょうか。
鵜野さん:店舗数の一番多いブルーブルーエは「地元の素敵なお店」がコンセプトです。キーワードは「宝探し」で、何かあるワクワク感、お客さんが楽しく商品を探せる店づくりをしています。例えば、最近オープンしたお店は什器の置き方も直線的ではなく、曲線的な什器を配置して。なんとなく迷路のような感じで、見て回ってしまう感じは意識しています。
マルシェドブリューエプリュスは、衣食住をテーマにした心地いい空間というのがコンセプトです。ヨーロッパのマルシェの雑多感をイメージして、什器やディスプレイにこだわっています。ブルーブルーエは15坪前後の広さがほとんどですが、マルシェドブリューエプリュスは倍の30坪以上のところもありますので、ゆっくり見ていただく感じですかね。
デトールアブルーエは寄り道したくなるようなお気に入りの場所をコンセプトに、衣食住の雑貨にカフェを併設しています。季節ごとに違うオリジナルドリンクや焼き菓子などを楽しめますので、気楽に立ち寄っていただきたいですね。
──ブルーブルーエの「宝探し」というのは納得です。私もどんなものがあるかなって定期的にウォッチして、新しくてかわいいのがあったら買うという動きをしているので、滞在時間が長い気もします。商品の展開も速いですよね。
辻さん:そうですね。イベントものは1か月半くらいで変えていっています。売れているものは定番商品として置いてはいるんですが、お客さまを飽きさせないっていうのは意識しています。新商品は1週間で100種類以上入ってきます。展開も大変ではありますが。
「みんなの毎日を楽しくする」という理念は変わらない
──ちなみに、ライバルのように意識しているお店はあるのでしょうか?
鵜野さん:特にはないんです。同じ雑貨屋さんでも弊社と構成や展開が違ったりしているので、あまり意識していることはないですね。それぞれの個性を発揮して共存していければと思っています。
──ブルーブルーエなりの店づくりを追求しているんですね。「ちょうどいい」という言い方は失礼かもしれないんですが、普段使いもできて、ギフト用も買えて、お店を見るワクワク感もあって。他と比べられない魅力があるので。
鵜野さん:ちょうどいいっていうのは、一番の褒め言葉じゃないかなと思います。ちょうどいいっていうのを表現するのがすごく難しいので偏りがちですし、自分たちのことを売り込むっていうと何か特色が欲しくなっちゃうんですけど。いろいろなことをやって誰かに引っかかりたいと思っているので、「このお店に行くとちょうどいい」という言葉はうれしいです。
──よかったです。最後に、企業としての今後の展望を教えてください。
鵜野さん:弊社は「みんなの毎日を楽しくする」が企業理念なので、ここ1本ですね。シンプルな雑貨を扱うお店は他にたくさんありますが、弊社の商品は生活にちょっと彩りを加えるものとして買っていただけていると思います。あとはギフトを選ぶのに使っていただくことも多いので、贈る相手の方に楽しさが連鎖していくといいなと思うんです。買う方も楽しいし、もらった方も楽しくなれるようにできたら。「ブルーブルーエに行ったら楽しめる」と思い浮かべてもらえたらいいですね。
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鵜野さん、辻さんとお話しして、ブルーブルーエジャパンのみなさんが「お客様に楽しんでもらえるものを作ろう」という思いにあふれていることが伝わりました。作り手・送り手側のそういう気持ちが、お店のワクワク感に表れているんだろうなと思います。今後、ブルーブルーエのお店を訪れるのがさらに楽しみになりました。
(取材・文/小新井知子)