フムフムニュースには「NEOFIFTY〜新50代の生き方」というインタビューシリーズがあるのですが、久しぶりに古い記事を読み返してみました。

どんぐり改め竹原芳子、1枚1枚コンプレックスがはがれていった「自分探しの旅」

「先のことをあれこれ考えて不安に思っても前に進めないですもん」 撮影/吉岡竜紀

 リード文を再掲します。

映画デビュー作となった2017年公開の『カメラを止めるな!』で、一躍、時の人となった竹原芳子さん。57歳で飛び込んだ女優の世界だが、その前は証券会社、派遣社員、裁判所の臨時事務官、お笑い芸人、アマチュア落語家など次々と異なるジャンルを経験。年齢という枠にとらわれず、自分の心の声に素直に従う生き方は、私たちに肩の力を抜いて生きていくヒントを与えてくれる。現在、61歳とは思えないパワフルな竹原さんを突き動かす原動力とは何なのか?

 子どもの頃から吉本新喜劇や松竹新喜劇を見て育った竹原さんは、短大卒業後に入社した証券会社の1年目に、ちょうど創立されたNSC(吉本興業の養成所)を受けようか迷ったことがあるそうです。でも、その時は夢を諦めた──。

私がこの会社に入社したってことは落ちた人もいるわけで。『石の上にも3年』って言うし、がんばらなあかんと思って。受けていればダウンタウンさんと同期やったんです(笑)

 その後、紆余曲折があって、50歳のときにNSCに入所するわけですが、そのきっかけが大河ドラマだったそう。

竹中直人さん主演の大河ドラマ『秀吉』(1996年)で、渡哲也さんが演じた織田信長が『人間50年』と言って炎の中で舞うシーンがあって、自分が50歳になったときに思い出して、“織田信長やったら私はもう死んでる。このままでいいんやろか”ってまた思って(笑)

 織田信長は48歳になる誕生日の2日前に亡くなっています。ちなみに戦国武将では武田信玄が51歳、豊臣秀吉は61歳、長寿のイメージがある徳川家康も72歳です。また、幕末の志士の多くが、31歳の坂本龍馬をはじめ20〜30代で亡くなっていることを思い出し、私も竹原さんのように、“このままでいいんやろか”と自問してしまいました。(dd)

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