今回は〈ヒロミが語る松本伊代の愛し方「オレ、誰と結婚しても幸せにできる自信があるよ」〉より。fumufumu newsを立ち上げる前の準備段階で、タレントのヒロミさんにインタビューした記事なんだけど、当時は、同じ主婦と生活社の週刊女性PRIMEに掲載して、外部配信先のYahoo!ニュースのトピックスにも選ばれました。

ヒロミ 撮影/佐藤靖彦

 ライターの植木さんから、「わたしのなかでは理想の旦那さん、理想の上司、理想の父親です。芸能界やスポーツ界で不倫報道が相次ぐなか、あえてこの人に“ひとりのひとを愛すること”にテーマを絞ってお話をお伺いして、なんとお答えするのかを聞いてみたいと、とても思います」と熱烈な提案をいただいて実現した企画です。

 ヒロミさんらしくサラッと語っていますが、すでに結婚している人、これから結婚する人に、ぜひ読んでほしいと思う言葉がたくさんあります。

 昔からの習慣として、寝る前に「ママ、今日も楽しかったね」「ごはん食べに行ったあのお店、おいしかったね」とか、必ず何か言葉をかけるようにしてる。それ以外にも、ふだんから「コーヒー淹(い)れてくれてありがとう」とかね。

 あと、「ママ、今日もかわいいね~」って大げさなくらい、しょっちゅう言葉にするね。半分ふざけてんだけどさ(笑)。

 でもこれは、自分が経験した二度の大事故が影響しているのかもしれない。芸能界に入る前、18歳のときにバイク事故で本当に死にかけて、26歳のときにもテレビ番組のロケで大ケガしてるんだよね。

 そのせいか、28歳で結婚した当初は、「眠ったまま死ぬことだってある」「このまま、朝、目が覚めないかもしれない」っていう思いがどこかにあったんだよ。だから後悔しないように、いちいち言葉で伝えていたことが、もう今では習慣になっちゃった。

 それと、「一度、結婚したら離婚はしない」って決めて結婚したという覚悟もあったかな。

 自分の性格上、離婚したらまた再婚やら離婚やらを繰り返しちゃうだろうから、もし相手に不満が生まれたら、それをなんとかする方法を見つけようと思ったんだよね。離婚という選択肢がないのなら、危機を乗り越えること自体を楽しむとか、相手ができないことを自分がやるとか、工夫するしかないでしょ。

 もう結婚してから27年。お互い50代になって、最近は「ママは生きててさえくれりゃいいよ」っていう境地だね(笑)。そう言うと本人は「やったー」なんて喜んでるけど。でも本当に、この年になると、家事ができる、できないなんてささいなことだと思う。毎日、話し相手になってくれるだけで、ありがたいよね。

 そういう俺だってさ、ママからしてみれば不満は絶対あると思うよ。俺は趣味もやりたいこともたくさんあるから、ちょっと時間ができればすぐ遊びに行くしね(笑)。
(略)
 結局、夫婦ってお互いさま。100%の人なんていないもん。俺はね、家族みんな合わせて100%になればいいと思ってるの。

 わが家のルールをひとつあげるとしたら、子どもよりもママを大切にするということかな。

 息子たちが子どものころから「何か起きたら、パパはお前たちよりもまずママを助けるからな」と、あえて言ってきた。

 夫婦関係がなんとなくうまくいかなくて悩んでいるという人は、初めは“仲よしごっこ”をしてみるといいんじゃないかな。俺だって、わざとらしく言ってるんだよ(笑)。

「ほんとママはかわいい!」「けさの目玉焼きいちばんおいしいわー」ってね。毎朝、まともな目玉焼き出てきたためしがないけど(笑)。

 そんなふうに言われてイヤな人はいないし、ふざけて“ごっこ”をしているうちに、だんだんそれが習慣になって楽しくなってくると思うんだよ。言われたほうも、真顔で「何言ってんの」「バカみたい」なんて返さずに、「ありがとうー」って素直にノッてあげてほしいね。

 夫婦の関係がよっぽど悪いわけじゃないのなら、相性なんてこともあまり深く考える必要もないと思う。だって俺、ママじゃなくても誰と結婚しても幸せにできる自信あるもん(笑)。相手次第じゃなくて、自分次第だよね。

 昔から「結婚は修行」とよく言うけど、同じ修行ならヒロミさんと伊代さんのように明るく努めたい、そう思いました。(dd)