新しい挑戦は何歳からでも遅くない
──アイドル時代から変わらない雰囲気で、健康的な美しさは以前のまま。ルーティンの健康法や美容法、また年相応の悩みとどうやって向き合っているのでしょうか。
「年齢ならではの悩み? ありますよ、いっぱい(笑)。例えば、ものが見えにくくなったことかな。家の中の手の届くところにメガネをたくさん置いてあります。
普段は好きなものを食べて好きなワインを飲んで、でもダイエットが苦手だから(笑)、その分ちゃんと運動しています。身体を動かすとストレス解消できることが、30代後半にわかったんですよね」
──声にも年齢が表れることもあると思いますが、ボイストレーニングの他に何かよい習慣はありますか?
「舞台に出ている間はもちろんお酒も控えてます……あれ、それだけかな? ハハハ。これまで歌い続けてきたことが、今につながっているのかも。デビュー前は忙しくてボーカルレッスンができなかったので、最近になって歌番組の企画でトレーニングをする機会があると、こうやって歌うんだと勉強になります。
だから、いくつになっても新しいことに挑戦するのは遅くないんです。もちろん疲れたり、昼寝すると調子がよくなることもありますけど、そういうときは自分の身体が欲するままにするんです。それがいちばん、心にも身体にもいいと思いますよ」
コロナ禍の苦悩から徐々に解放され、40年のヒストリーを振り返るアルバムづくりを経て、気持ちも新たにスタート。更新が待ち遠しいYouTubeやインスタグラムでの発信は今後も楽しみだが、その他にチャレンジしたいことを聞いてみた。
「やっぱりライブをやりたいです。延期になってプランニングさえもできなかったので。最近はファンの方から“ライブが観たい”と言う声も直接届くようになりましたから。
ベストアルバムのラインナップはアレンジが厚い作品が盛りだくさんなので、ちゃんと再現できるのか、歌い切れるのか、お客様にちゃんと届けたいので、まさに挑戦です」
取材中に何度もアイドル時代の歌声が頭の中を巡った。しとやかな笑顔と澄んだ歌声は忘れられない。しかし何よりも変わらない印象が嬉しかった。
自分のことを「サバサバとしているから」と早見さん。健康的なイメージそのままで、どこまでもオープンな会話は、言葉のチョイスが素直でやさしい。それはアイドル時代から、家族を含め素敵な人との出会いと時間を大事にしてきた証であり、自身が培ってきた真心なのかもしれない。
(取材・文/浦上優)
《PROFILE》
早見優(はやみ・ゆう) 3歳から14歳までグアム、ハワイで育つ。14歳でスカウトされ1982年『急いで!初恋』で歌手デビュー。『夏色のナンシー』『PASSION』などのヒット曲がある。以後、バイリンガルと国際感覚を生かしテレビ、舞台などで活躍。上智大学比較文化学部日本文化学科を卒業。2008年にワインエキスパート認定。NHK World『Dining with the Chef』、NHKラジオ『深夜便ビギナーズ』(毎月第三土曜日)にレギュラー出演中。
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