昨日のコトバスケットからの藤井聡太五冠つながりで、羽生善治九段の言葉です。

 今週はサッカー日本代表の快挙に沸く編集部員を横目に、私がひそかに歓喜したニュースがありました。それは将棋の「王将戦」リーグで52歳の羽生さんが優勝し、32歳下のタイトルホルダーである藤井さんへの挑戦を決めたこと。長らく第一人者だった羽生さんですがここ数年は成績が低迷。年齢による衰えも囁(ささや)かれ、その間に藤井さんはトップ棋士の座に駆け上がっていきました。

 雑誌『Number』10月20日号のインタビュー記事で羽生さんは、50代に入って考え続ける力や深く読む力が落ちたと感じたかと聞かれ、「年齢や経験は関係ないと思っています」。さらに自らが考える限界について問われると「限界って結局、よくわからないですよね。(中略)まあ、命が尽きれば限界ですけど」と、鷹揚(おうよう)に笑い飛ばしています。同年代のファンとしては大きな励みになるひと言ですが今回、それを見事に証明してみせました。

 大注目の2人によるタイトル戦が始まるのは来年1月から。夢の対決を実現してくれたレジェンドに対して、感謝しかありません!(純)