「ブルー・パシフィック」は“芹澤メロディー”のいちばんいいところが炸裂!
さらに、カップリング部門を見ると、第35位に'85年の12インチ・シングルで両A面扱いだった『HEART OF RAINBOW/ブルー・パシフィック』のB面に収録されていた「ブルー・パシフィック」がランクイン。「HEART OF RAINBOW」にはグリコ・アーモンド・チョコレート、「ブルー・パシフィック」はTDKカセットテープと、それぞれCMタイアップがついていて、一部のベスト盤には「ブルー・パシフィック」のみ収録されていたり、ランキング形式の音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)では「ブルー・パシフィック」がA面扱いでランクインしたりしていたので、この人気が抜きんでても不思議ではない。ただ、売野氏は、
「『ブルー・パシフィック』はもっともっと上位でもいいと思うね。これは、“芹澤メロディー”のいちばんいいところが炸裂しているんだ。自分がプロデュースしている(女性ユニットの)MAX LUXにもカバーさせようと思ったくらい。
これは、あおい輝彦の楽曲『あなただけを』や、尾瀬の夏を歌った中田喜直作曲の唱歌『
と、本作への思いを熱く語った。ちなみに、「HEART OF RAINBOW」のほうは、通常のシングルにはない大作を芹澤が作りたかったことから12インチ・シングルとなり、そのメイン曲ということでA面に収録されたようだ。
自分の作品が発売されていたことをコンビニのBGMで偶然知った過去も
そして、「ブルー・パシフィック」を除いた純粋なカップリングで最上位なのが、51位の「ひとりじゃいられない」(A面は「神様ヘルプ!」)。これは以前の取材でも、売野自身が非常に思い入れのある作品だと語っていた。
「これは自分の本でも書いたけれど、コンビニで偶然聞いて、初めて発売されていることに気づいたんだ。本当の話だよ(笑)」
注釈すると、売野が立ち寄ったコンビニエンスストアで偶然この楽曲を耳にして、「ん? 俺の歌詞に似ているな……。こんな感じで作れば、売野雅勇っぽくなるんだ」と感心しつつ、あまりに自分の作品に似ているのでクレームを入れようかと思っていたらしい。そして、聞いている途中で「あれ? これは、フミヤの声だよな。もしかして……」と気づいて、芹澤から「この間、『神様ヘルプ!』用に書いてくれた歌詞をボツにして申し訳なかったので、別のメロディーをつけて同じレコードのB面に入れておきましたから」と電話をもらっていたことを思い出したという。
実際は、「神様ヘルプ!」用に書いたそのままの歌詞ではなく、「ひとりじゃいられない」のメロディーに合わせて芹澤が売野の歌詞をうまく調整したようだが、いずれにせよ、ノンタイアップのカップリング曲がこれほど上位とは、よほどファンに愛されているのだろう。