コロナ禍以降、再びブームになっている韓国ドラマ。純愛、サスペンス、社会派など、どのジャンルもクオリティーが高いから何を見ていいか迷っちゃう! そこで訪韓100回以上、芸能界きっての韓国通・はるな愛ちゃんに今見るべき作品を教えてもらいました。
韓ドラの魅力とナンバーワン作品
訪韓回数は100回を超え、韓国観光名誉広報大使も務める、はるな愛さん。
「18歳のときに初めて韓国に行って以来、ずーっと韓国が大好き! 特にエンタメは韓国ならではの“魅せる”テクニックが満載で、レベルが高いんです」(はるなさん、以下同)。
韓国ドラマの魅力はずばり、
「泣けて、笑えて、悲しめて、幸せかみしめて……幕の内弁当のようにいろいろな気持ちが揺さぶられるところ」
と話す。日本のドラマだと、悲しくて涙を流すシーンではナチュラルな演技が主流。ところが韓国ドラマでは、叫んだり、大きな声で泣くなど感情をむき出しにする。
「感情が丸出しなんだけど、演技がくさくなくて、見ていてグッと感情移入しちゃうんです。ストーリーも余韻を残すような終わり方はせず、白黒ハッキリつけるものが多い。見終わったあとにスカッとします」
そして必見なのが、恋愛ものの美しさ。
「切なさや愛(いと)しさといった感情をしっかり演出する美しい映像やBGM、主人公の描き方が素晴らしいの! どっぷりと主人公を好きになれる演出がたっぷりしてあって。ハマらせる演出がすごい。だから毎回、恋人に会うくらいの気持ちで見ちゃう♪」
韓国ドラマはどれも大好きだが、強いて順位をつけるなら『梨泰院(イテウォン)クラス』がナンバーワンと言う。
これは韓国版『半沢直樹』ともいわれるドラマで、梨泰院で小さな飲食店を経営する主人公が大企業に立ち向かい、さまざまな困難を乗り越えて業界イチの企業にのし上がっていくストーリーだ。
「自分なんてちっぽけだと思っていたとしても、仲間がいて思いがひとつになれば、大きな権力でも動かせるんだって勇気をくれます。今、コロナ禍で飲食店や商売をやっている人は大変だと思うんです。私も飲食店をやっているんだけど、このドラマを見たあとは、何かしなくちゃって、熱い気持ちになりました。エネルギーチャージしたい人には特におすすめ!」
ドラマの影響で海辺に家を買いました
次のお気に入りが、リアリティードラマの『ヒョリの民宿』。
韓国K-POP界のディーバともいわれるイ・ヒョリが、結婚して済州島(チェジュトウ)の自宅で民宿をするという内容。
「私はイ・ヒョリが大好きで! 彼女の素の姿が見れるというのが最大の魅力なんだけど、そこに泊まりに来た一般の人と一緒に食事を作ったり、夜な夜な語り合ったりして、すごくリアル。ヒョリの飾らない人柄がとにかくチャーミングだし、いろいろな人の悩みを通して、自分ならどうするかなって刺激を受けますね」
済州島の豊かな自然の中、ゆったりと流れる映像も美しい。
「夕方にヒョリがひとりで海に行き、サンセットを背景に泳ぎだすシーンがあるんだけど、ため息が出るくらいきれいで! 感動しちゃって、私も海沿いにおうちが欲しくなって、葉山に家を買っちゃいました(笑)」
この番組、韓国では人気が出すぎて、民宿を探し当てて不法侵入する人が後を絶たなくなり、民宿は売り払うことになったそう。
「現在は新しい家を購入したみたいだから、シーズン3があるといいな~。期待して待ってます」
そして3位にランクインしたのは『トッケビ』。
「超ファンタジーなんだけど、1話からスピード感ある急展開の内容でくぎづけに!」
高麗時代の将軍であった主人公シンは王に暗殺されるが、神のはからいで“トッケビ”となり不滅の命を授かる。彼を解き放てるのは“トッケビの花嫁”と呼ばれる存在のみ。900年以上たったある日、トッケビの花嫁だと主張するウンタク、さらには死神とも出会い、奇妙なことに3人で暮らし始めるというファンタジーラブロマンス。
「キュンポイントがめっちゃあって、心揺さぶられるの! でも悲劇もあって、それが本当に悲しくて涙が止まらなくなる」
運命に翻弄され、悲しい宿命を背負うラブストーリーに、「一生分泣いた」という人も多い。
主人公を演じるのは『コーヒープリンス1号店』で甘いマスクと落ち着いた声で多くの女性のハートをつかんだコン・ユ。
「コン・ユが男っぽくて優しくて素敵なの~♪ 彼は釜山(プサン)出身なんだけど、“プサンナムチャン”っていう日本でいう“九州男児”みたいな言葉があって、本当はもっと無骨な人なのかなって想像したりしてます」
実ははるなさん、年下のプサンナムチャンと付き合ったことがある。
「ある年のクリスマスに、食堂に行って、魚の煮つけを食べたんです。身をとって私に“あーん”ってしてくれて、うれしい~って思ったのが思い出される~」
そんなプサンナムチャンのコン・ユが都会の洗練された男性を演じているのも、はるなさん的には胸キュンポイント。
さらにおすすめとして挙がったタイトルが『王女の男』。朝鮮王朝時代にクーデターにより引き裂かれた恋と復讐を描く“朝鮮版ロミオとジュリエット”だ。
「主人公スンユを演じるパク・シフがいい~。私、いちばん好きな顔かも。ヒロインのセリョンの一途な愛とスンユの復讐に燃える心が入り交じり、曲もよくて。ドハマリでした!」
また日本でもリメイクされた『彼女はキレイだった』もはずせない作品。
「梨泰院クラスで復讐に燃える経営者を演じたパク・ソジュンが『彼女は~』ではドSな編集長という、まったく違う役どころを演じているのも面白いです」
今後、見てみたい作品は?
今後見てみたい作品は、『こんにちは? 私だよ!』『サイコだけど大丈夫』の2作品。
「実はヘアメイクさんって韓国のエンタメ通の方が多くて、ヘアメイクさんがおすすめする作品なんです。『サイコだけど~』は精神科で働く保護士の男性と、愛を知らない女性とのロマンスでテーマが重め。でも韓国ドラマなら、泣けて、キュンとして、ファンタジーもあって、楽しませてくれること確実だから、見る前からワクワクします」
《PROFILE》
はるな愛 ◎タレント・歌手・女優・実業家。7月に令和の昭和歌謡曲『タピオカの夏』をリリース。1度聴いたら口ずさみたくなる魔法のメロディーは必聴! パラリンピックの開会式出演でも注目
(取材・文/樫野早苗)