出費を抑えるためには「買い物のやり方」を変えるべき、と人気インスタグラマーの時短節約家・くぅちゃん。実は、やるべきことより、やらないことに焦点をあてるほうが実を結ぶ食費節約。その手腕をじっくり見せてもらった。インタビュー後編となる今回は、くぅちゃん流「節約に効く調理テク」8編です!
※インタビュー前編:『わずか6年で貯金1000万円!人気インスタグラマーの時短節約家・くぅちゃん流「ケチケチしない」食費節約術』
6年間で総額1000万円の貯蓄に成功した主婦ブロガー&インスタグラマー。夫と中学生、小学生の食べ盛りの息子2人を抱えながら、4人家族の食費を月4万円にする方法を発信している。著書に『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』(KADOKAWA)がある。
節約に効く調理テクで食費・光熱費をマイナスに!
調理をするときにもさまざまな節約ワザを自分流にアレンジし、巧みに食費を抑えている。その方法を伝授してもらった。
“時短節約”調理で豊かな暮らしを実現
「お金の節約だけでなく、私が重視しているのは調理時間の『時短』。買い物から帰ってきたらすぐに、肉を小分けにして冷凍するなど、簡単に調理できるようにしておきます。このひと手間で、毎日の調理時間が短縮できるので、助かっています」
自宅の冷蔵庫に簡単に作って食べられるものがストックされていれば、心に余裕が生まれる。「今日は疲れていて調理が面倒だから、お惣菜を買おう」「外食しちゃう?」がなくなり、急な出費を抑えられるのもポイント。
調理をするモチベーションを上げるためには、キッチンを居心地のよい場所にすること。使う調理器具にお金を惜しまないのが、くぅちゃんならではのこだわりだ。
「無理な節約をしようとしても長続きしません。無駄な部分は少しずつ省きながら、自分が豊かだと感じられる暮らしを続けていくことが、結局は節約につながるのではないでしょうか」
【1】調理器具はフンパツ
食費は抑えるけれど、調理器具は品質のよいものや、使いやすく便利なものをそろえたいというくぅちゃん。
「高価でも一生ものの道具をチョイス。鍋やトースターは、高品質のものをひとつずつ買いそろえました」
お気に入りの道具を使うことで、料理を作るときに、気持ちの変化が感じられるようになったとか。
「食事を作るのが楽しくなりました。安い食材を使っても、おいしくできるのがうれしい。おすすめはヨーグルトメーカー。夫が毎朝ヨーグルトを食べるので重宝しています」
市販ものよりも味、値段で満足できると、家族からも高評価だ。
【2】たれや漬物は手作りして買わないようにする
毎日食事を作る人にとって、料理のたれや漬物などを買うのは楽だが、くぅちゃんはあえて買わない。自分で作れば費用が抑えられるだけでなく、好みの味にもでき、余ってダメにすることも少ない。
「私は、家にある調味料を混ぜて作れる焼き肉のたれやドレッシングなどは、自分で作っています。意外なところでは、ホットケーキミックスも自分で調合できるんです」
ホットケーキミックスは薄力粉やコーンスターチ、ベーキングパウダーなどがあれば作れる。佃煮や浅漬けなども簡単なので、買わずに手作りすれば、おいしくて節約に。
◎材料(作りやすい分量)
・きゅうり:2本
*以下(A)
・しょうゆ:150ml
・砂糖:50g
・酢:25ml
・しょうが:適量
・塩:少々
◎作り方
(1)きゅうりを薄い輪切りにして塩をふり、30分おいて水けをしぼる。しょうがはせん切りに。
(2)鍋に(A)を入れて沸騰させ、(1)を入れて再沸騰させてから火を止めて冷ます。
(3)常温になったらきゅうりとしょうがを取り出し、煮汁だけをもう一度沸騰させ、きゅうりとしょうがを戻す。
【3】20分の時短調理でガス代も節約する
「手早く食事を作るには段取りが命。同時進行で3品ぐらい作れるように、あらかじめ段取りを考えておけば、20分で夕食を用意できます」
時短調理でガス代も節約でき、家族の「お腹がすいた」リクエストにも対応できる。
「ガス台3口と電子レンジをフル活用。食材を一気に切りながら、徐々にゆで始めたり、電子レンジで加熱していきます。ちょっとしたワザですが、ハンバーグを作るときはフライパンの中で材料をこねて、そのまま焼きます。ボウルを使わないので洗い物が減らせて、水の節約にも」
献立を作る段階で、フライパン料理ばかりにしないような工夫も必要だ。
【4】給料日前は1人100円台のレシピに
節約していても給料日前は食費がピンチになることも。そういうときにも困らない、くぅちゃん直伝の節約メニューを教えてもらった。
「食費を抑えたいときによく作るのは麻婆豆腐です。1人分100円台で作れます。以前、たまたま冷蔵庫に残っている材料で作ってみたら、おいしくてボリュームもあり、家族に大好評。材料費も安く、うちの定番メニューです」
材料の豆腐は、業務スーパーなら1丁40円以下で買えるので、3丁買っても100円程度。ほかに、少量のひき肉とねぎがあれば作れる。
【5】買い物後の肉や野菜の保存の仕方で「あとがラク」
食事のおかずは1品だけでなく、何種類か用意したいと考えているくぅちゃん。
「料理の品数を増やすには、買い物から帰ったあとのひと手間が大事。すぐ使わない肉は小分けにして冷凍を」
しょうが焼き用に使う肉は味をつけて冷凍。ほかにも野菜炒め用の肉、焼きそば用の肉など、1回に使う分量ごとに肉を分けて冷凍することで、解凍してすぐに使える。
野菜を買ってきたときは、ゆでてから冷蔵庫で保存するが、ねぎは、生のまま刻んで冷凍庫へ。
「ブロッコリーやほうれんそうなどのゆで野菜を作り置きするコツは、ゆでるだけで“味つけをしないこと”。食べるときにサラダやおひたしなど、毎回、違う味つけにすれば飽きずに食べられます」
【6】野菜は同じお湯で順番にボイル
「いろいろな野菜を別々にゆでていくのは結構大変。私は沸かしたお湯をすぐに捨てないで、何種類かの野菜を次々にゆでるように。何回もお湯を沸かす手間が省け、時短になります。水道代やガス代も節約に」
くぅちゃんがゆでる順番は、アクが少なくお湯が濁りにくい野菜から。最後にアクが強いほうれんそうをゆでるという。この順番でゆでれば、短時間でたくさんのゆで野菜のストックを作ることができて便利。
(1)お湯が濁りにくいもの:もやし、キャベツ、ブロッコリーなど
(2)お湯に少し色がつくもの:にんじんなど
(3)アクが強くお湯が濁るもの:ほうれんそうなど
【7】朝食は定番メニューに決めておく
時間に追われる朝食は、いつも同じ定番メニューに決めておくと献立を考える負担を減らせる。必要な食材も定番化され、さまざまな食材を買いすぎて余ってしまうこともない。買い忘れも防げる。
「うちでは夫の朝食は、本人の希望でヨーグルトとコーヒーが定番。毎日のことなので、ヨーグルトを購入していては割高に。そこで、購入したヨーグルトメーカーが活躍しています」
くぅちゃん自身や2人のお子さんはお茶漬けやおにぎり、トーストが定番。
「昨夜のおかずが残っていたら、それを食べることもあるし、常備品のウインナーやハムを出すことも。朝食にはあまりお金をかけません」
【8】晩酌をするならお酒の種類を割安なものに
お酒好きの人がお酒代を節約する場合、飲む量を減らすとストレスになることも。そんなときは、お酒の種類や買い方を変えてみては。缶入りのチューハイやビールをやめて、業務用の大容量ウイスキーにしたところ、量を減らさずにお酒代を節約できた。
「夫婦ともにお酒が好きなわが家は、割安な4リットルのペットボトル入りウイスキーをまとめて4本ずつ、楽天スーパーセールのときに注文しています。配達してもらえて、ポイントもたまるのでお得」
ウイスキーを炭酸水で割ったハイボールが今のお気に入り。炭酸水は、炭酸水メーカーを使って自分で作る。
「炭酸水のボトルを購入するよりも費用が抑えられるので、買ってよかったと心底思ってます」
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(取材・文/松澤ゆかり)