アニメには、「タイムリープ系」というジャンルがあります。タイムリープとは、自分の意識が時空を超え、過去・未来・別の世界にいる自身の身体に意識が乗り移ることを意味しています。
『ひぐらしのなく頃に』『涼宮ハルヒの憂鬱』『サマータイムレンダ』などタイムリープ要素が伴うアニメは数あれど、時空を超える残酷さと、それでも前を向く強さをこれほどまでに表現したアニメは『STEINS;GATE』のほかに無いのでは!? と個人的に思っています。
さて、冒頭のセリフ
「最初のお前を騙せ。世界を、騙せ」について。
ネタバレを回避するために詳細説明は省きますが、このシーンでは“無理だと思っていたこと”を成すための方法を“騙す”と表現しています。「α世界線」と「β世界線」という別の時空を行き来する登場人物に、過去の経験ではなく、これから起こる未来と世界を“騙す”ことで道が開けると諭すこのシーン。
わたしが好きなコンテンツを見るときはこの考え方が好きだと感じていて、オモコロ編集部の永田さんがお悩み相談で答えた
「人生は、ハッタリで自信を得ていくゲームだ」
という言葉や、呪術廻戦0(集英社/芥見下々)の禪院真希の言葉
「祓って祓って祓いまくれ! 自信も他人もその後からついてくんだよ!」
などなど、ことを成すうえでの根拠も理由も必要なく、後から結果を変えればいいというメッセージは、シンプルかつ勇気をくれる考え方だと感じます。
そういえば、以前紹介したコトバスケット「世界線」でもこの考えを書いておけばよかったですが、その世界線のわたしはこの考えには及ばなかったのかもしれません。ユーモアとセンスあふれる“騙し”を皆さんにお届けできるよう、まずは自分から騙して進んでいきたいものです(西)