Amazonプライム・ビデオで配信されている恋愛リアリティー番組『バチェラー・ジャパン』。全米では2002年の放送開始から20シーズン以上も制作されている人気シリーズで、日本版として2017年にシーズン1が配信されて以来、大きな話題を呼んでいる。
番組では、ハイスペックな独身男性(=バチェラー)が、一般応募で集まった女性たちとグループデートやツーショットデートを重ね、最終的に1人の女性をパートナーとして選びだす。毎話の最後に行われる“ローズセレモニー”で、バチェラーからのバラを受け取れなかった女性はその場を去ることにーー。
運命の相手として最後の1人が選ばれるまでの約3か月間、旅は終わらない。全員がライバルなだけあって、女同士の妬(ねた)み嫉(そね)みが生々しく、彼女たち、そしてバチェラーの一挙手一投足に、視聴者たちからは賛否両論が飛び交うのだ。
その最新作『バチェラー・ジャパン』シーズン4が、2021年11月25日より配信スタート。新シリーズの発表がされると、瞬く間に番組ファンは沸き立ち、いったい今回はどんなバトルが見られるのかと期待を寄せている。
「出演者同士は情報量がゼロの状態で出会うので、事前に肩書などを知っている視聴者の方たちと、大きな差がありますね。しかも、旅をする約3か月の間、各女性と一緒に過ごせる時間は本当にほんの少し。僕は正直、1話でお別れした人たちのことをほぼ何も知りません」
こう話すのは、2019年に配信された『バチェラー・ジャパン』シーズン3で、三代目バチェラーとして旅をした友永真也さん(34)。中学・高校時代をフランスで過ごした帰国子女で、現在は貿易会社を経営している。2020年には、番組で出会った岩間恵さん(28)と約1年の交際を経て入籍。出演者同士でのゴールインは、『バチェラー・ジャパン』シリーズ初のことだった。
番組を通して真実の愛をつかんだおふたりに、撮影の裏側や、親交のある四代目バチェラーの黄皓(こうこう)さんをはじめとした歴代バチェラーの素顔、現時点での結果予想など、出演者ならではの視点を生かした『バチェラー・ジャパン』の楽しみ方をお聞きしました。
バチェラーの立ち位置は「女子校に赴任した男性教師」
バチェラーは、毎話、最後に行われる“ローズセレモニー”で、あらかじめ決められた数のバラを、次の旅にも同行してほしいと思える女性のみに渡すのがルール。つまり、回を追うごとに残る女性の数がどんどん減っていく。友永さんが出演した『バチェラー・ジャパン』シーズン3は、女性が20人からのスタートだった。
真也「なんのたとえがいちばんわかりやすいかなって考えたんですけど、女子校に赴任した男性教師みたいな感じなんですよ。僕が新米教師で、カメラの後ろには教頭先生や校長先生みたいなプロデューサーやスタッフがいる状態。最初こそ1対20で出会ったので、それぞれの名前や職業を聞くだけでいっぱいいっぱいで」
恵「私たち女性陣も、それはすごく言ってたんです。“友永さんって先生っぽくない?”って。みんなを集めて、“よろしく!”みたいに挨拶してくる真也が、引率の先生みたいに見えてました(笑)。
最新作のシーズン4はコロナ禍での撮影だったと思うので、出演者たちは、かなりストレスがあったんじゃないかなって思います。私たちのときは、スタッフさんの監視下ではあるものの、たまには飲みに行くこともできたから、少しは息抜きする時間がありました。でも、今回はそれも難しかっただろうし……」
真也「海外での撮影もあるから、隔離期間も生じたやろうしね」
真也さんには、三代目バチェラーの経験をふまえて、番組を見るときに注目してほしいポイントがあると言う。
真也「言動どうこうっていうより、バチェラーの表情を見るのがいいと思いますね。口ではなんとでも言えるし、(女性からのさまざまなアピールに)毎回、喜んでいるように見えるかもしれへん。けど、実際は困っているかもしれない。実際に俺がそうやったから(笑)。皓くんは、もっとうまくやると思いますけどね。僕は、おめぐ(恵さんの呼び名)とのデートのときだけ、前日からウキウキしてたんですよ。ほんまに。目の輝きも違ったと思いますね」
“友永構文”の存在、知ってました
シーズン4のバチェラーで、実業家の黄皓さんとは、プライベートでも親交があるおふたり。一緒にゴルフに行った際に感じた黄さんの人柄は、「THE・モテる男」だという。
真也「気遣いがしっかりできる、本当にいいやつですね。“ええ男”ってひと言に尽きます。年も同じやから、しゃべっていても楽だし、車好きっていう趣味も一緒で」
恵「今までのバチェラーの中で、いちばんモテるタイプじゃないかなって思います。モテるがゆえに、ほどよくチャラさもあって(笑)。完璧に近い人だと思うんですけど、ちょっと素直じゃない一面もあるというか。意外と繊細な部分もあるんじゃないかな。だからこそ、今回はどんなドラマが見られるのか、私たちもすごく楽しみなんです」
真也「今までのバチェラーは争いごとを嫌うタイプが多かったから、女性陣のバチバチした空気を感じ取ったらスッと流してたけど、皓くんの場合は応戦するんちゃう? みたいなワクワクもありますね(笑)」
歴代バチェラー同士も仲がいいそう。シーズン1の久保裕丈さん、シーズン2の小柳津林太郎さんはどんな人なのか聞くと、
真也「久保さんはすごくクール。仕事一筋な人ですね。自分の行動に対して周りのリアクションがわかっているので、話していても、とにかく頭がいい人なんやと思います。たまに久保さんが何言ってるか、わからへんときがあるんで、俺“ポカーン”みたいな(笑)。
林太郎さんは、熱い男。めちゃめちゃフランクでしゃべりやすい。自分のことを包み隠さず出してくれる人で、こっちが探らなくても、さらけだしてくれるんですよ。真逆な2人ですけど、どちらもタイプの違ったいい人なのは間違いないですね。今までは三兄弟やったけど、もうちょっとでバチェラー四兄弟になるんで、うれしいですね」
2人のことを絶賛する一方、
真也「2人ともしゃべるのがうまいから、いろんな言葉がバンバン出てくるんですけど、僕は言葉のボキャブラリーが少ない。だから、番組中に行われるインタビューとかでも、“何とか長くしゃべらな!”と思って、無理やり、言葉をつなげていたんです。たった15分のデートに対して、(デートの感想や女性への印象などを)1時間くらい話さなきゃいけなかったりもしたので」
真也さんの、「ほんまに」「感謝しかないです」「真剣に考えました」など、いくつかの言葉を多用した独特の言い回しは、視聴者の間で『友永構文』と呼ばれ、盛り上がっていた。
「友永構文の存在、知ってました(笑)」と、放送時には自身でも楽しんでくれていた様子だ。
アンチも、いつかファンになってくれる可能性がある
撮影中のバチェラーと女性陣は、基本的にカメラの前でしか会うことは許されず、素顔を見られるチャンスは、ないに等しいという。
真也「今も何人かの出演者とはめっちゃ仲がいいんですけど、カメラが回っていないところで話すと、ぜんぜん印象が違いますね。あと、僕に見せる顔と、女子同士で話しているときのキャラが違ったり。なかでも社長令嬢の(高田)汐美は、配信を見て“こんなにおもろいやつやったんや”ってビックリしました。(全10話中)5話でバラを渡さずにお別れしてるんですけど、ここまで味がある子だって知ってたら、8話とか9話まで残せばよかったって(笑)」
恵「本当に、バチェラーと話せなさすぎてびっくりしました。出演前にシーズン1と2を見ていたので、3か月間ずっと濃い時間を過ごせるんだろうなと思っていたけど、バチェラーとは会えるとしてもカメラの前だけ。限られた時間でお互いを知るのは本当に難しかった」
友永「だから、見ている人にはそこを理解してほしいですね。実際、女性陣とちゃんと過ごせる時間って、最後のほうまで残った方でも、合計1日分にも満たないくらいなんですよ」
シーズン4に出演する女性は15人。現時点で気になるメンバーを聞いてみると……。
恵「休井美郷さんは、最後のほうまで残る気がする」
真也「僕は中野綾香さんに注目していたけど、最近は青山明香里さんも気になってきました。
あと、僕が心配しているのは、今まで表舞台に出ることをしてこなかった人間が、急に番組に出るってことの怖さ。一部のネットユーザーの探索能力はすごいので、過去のSNSの投稿とかから、変なことで足を引っ張られる人が出てくると思う。侮っちゃいけないんですよ。出演者自身、まだそこまで想像できてへんやろうから、心配はしますね」
現に友永夫妻はネットでの炎上経験があり、心ない言葉を浴びせられることも多かった。
恵「私たちは、結果が結果だったので……」
“結果”とは、『バチェラー・ジャパン』シーズン3の最終話のこと。今でこそ結婚し幸せな生活を送っている2人だが、実は本編で、友永さんは別の女性とエンディングを迎えていたのだ。
真也「僕自身は、ほんまに最初からおめぐに一目惚れしていたけど、お話できないいろいろな理由もあって、どうしても最後に選べなかった。一度、別の方と結ばれて終わったはずのバチェラーでしたが、やっぱり自分の気持ちには正直にいたいと思って。大炎上を覚悟で、おめぐにアタックしに行きました」
恵さんを好きだという気持ちを捨てきれなかった友永さんは、番組内で結ばれた女性とお別れし、恵さんとのおつき合いをスタート。そのどんでん返しに、当初は呆気(あっけ)にとられた視聴者も多かっただろう。
真也「ネットではボロボロに言われましたね。お互いのSNSの投稿に対しても、“アンチコメント”はすごく届いていたし」
恵「思いもよらなかった言動にすら非難の声が届いてしまって、一時はすごくしんどかったです。でも、真也は“絶対に大丈夫”と、ずっと言い続けてくれました。それに助けられた部分が大きいです。
それに、ネットの声と私たちの周りの人たちの声って、ぜんぜん違うんですよ。周りの友達は、今までと何も変わらない。当時から“大変だったね”とか“今だけだよ”って言って支えてくれる子たちがいてくれたことも、大きな励みでした」
真也「僕、思うんです。どんなことをしても、叩いてくる人たちは絶対にいるだろうけど、“よく知らない人が言ってくる言葉はどうでもいい”って。それに、アンチの人たちこそ、僕たちのことよく見てくれていたりもするんですよ。今まではファンでいてくれる人だけを大事にするって決めていたけど、アンチの人たちも、何かをきっかけに僕たちのファンになってくれるかもしれへんなって。
誰かが言ってました。アンチもファンの一部や、“ファンチ”やって(笑)」
「外野の声は気にしない」と、どこまでもポジティブな真也さんのパワーが、今の2人の笑顔を作りあげているのかもしれない。
真也「皓くんにも、いろいろ気にしすぎず、“自分の思いどおりに、好きなようにやってほしい”って思ってます。すでに一部では、“匂わせ投稿”してるんじゃないかって言われているみたいですけど、皓くんはそんなことしないと思うし。
僕たちも何も結果を知らない視聴者なので、勝手に考察をしながら(笑)、みなさんと一緒にタイムリーに追いかける予定。ほんまに期待しかないです」
(取材・文/高橋もも子)
※お二人が出会った瞬間から今までについて、そして、お二人が描く未来と「愛のカタチ」について、さらに濃く語ってくれたインタビュー第2回は、明日11/26(金)の21時に公開予定です!
真也さんと恵さんのYouTubeチャンネル『しんめぐの日常』では、幸せな夫婦生活を発信中♪