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転職・就職希望者を陥れる『ダミー求人』、元“作成者”が明かす卑劣な手口と回避法

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※写真はイメージです
目次
  • 信憑性の低い『満足度ナンバーワン』がほとんど
  • 他社の情報をもとに“ダミー求人”を量産
  • 1日8時間にわたる“ダミー作り”にグッタリ

「転職活動をしよう」、そう思い立った際には、まず転職サイトを覗(のぞ)いて求人情報をチェックする人が多いだろう。また、転職希望者の代わりに企業との面接日程の調整や、給与条件の交渉を請け負ってくれる“エージェント”を介す、いわゆる『人材紹介』を利用する場合にも、転職エージェントをホームページなどで検索することから始める人がほとんどではないかと思う。

 どのサイトやエージェントを利用するかは人それぞれ。複数回、転職をしているのであれば、「前回もこのエージェントにお世話になったから」という理由もあるかもしれないが、大学生の就職活動や初めての転職の場合、選定基準の核となるのは「応募したいと思える求人があるか」や「求人数の多さ」、そして「これまで利用した人の満足度の高さ」ではないだろうか。

信憑性の低い『満足度ナンバーワン』がほとんど

 このうち、まずは「満足度の高さ」の項目に着目してみよう。大手の転職サイトやエージェントが毎年のように広告に掲載する『満足度ナンバーワン!』『求人掲載数、業界随一!』などのキャッチコピー。以前、大手の人材紹介会社に勤めていた三村和広さん(仮名)は、「実は、これらの文言にはカラクリがあるのです」と話す。

「そもそも、冷静に考えれば、『満足度ナンバーワン』というのは基準が謎ですよね。広告をよく見ると、隅っこのほうに小さく“どういった調査でのナンバーワンなのか”が記載されてはいますが、それぞれ使っている調査会社が違いますから、どこの企業も何かしらの“ナンバーワン”を掲げています」(三村さん・以下同)

 確かに、よく目にする広告たちを思い出してみても、『転職者の満足度ナンバーワン』をはじめとして、『実績』『転職決定数』『サイト認知度』など、さまざまなジャンルでの一等賞が並ぶ。謳(うた)い文句の内容はおそらく事実であろうが、「どんなタイミングで、どの範囲の人たちに対して行った調査の結果か」まではわからない。

「ですから、極端な話ですが、転職が決まった人のみを対象にして、内定が出た直後にアンケートを取れば、当然『満足度』は高くなります。“ナンバーワン”という言葉も、どれくらい多くの競合他社と比べた数字なのかは、明記されていないことがほとんどです」

 場合によっては『満足度95%』などといった文言もあるが、こちらも同様のカラクリだという。これは転職に限らず、化粧品やサプリメント業界における『モニター満足度』や、『セミナーの有益度』の宣伝にも使われている手法だ。

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