1204
「1日1フム」生活。- フムフムニュース -
fumufumu news サイト休止のお知らせ
芸能

すゑひろがりずの『あつ森』実況動画が自粛の癒やしに!? 2か月で登録者数3倍増のワケ

SNSでの感想
すゑひろがりず
目次
  • 「ここで幕府を開きまする」
  • イヤホンは“カップル付け”

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛により、ストレスが溜まっている人も増えていることだろう。娯楽はテレビ鑑賞やゲームなど、必然的に家に居ながらできるものに限られてしまい、うっ屈した気持ちでいる方も多いのではないだろうか。

 そんななか、とある『M-1グランプリ』ファイナリストのYouTubeチャンネルが、密かに話題となっている。日本の伝統芸能である『狂言』や『能』を芸風に取り入れ、袴姿に小鼓、扇子を携えた姿で登場する“和風”のお笑いコンビ『すゑひろがりず』だ。

 2019年、Ⅿー1グランプリの決勝に進出し、狂言風の漫才ネタを披露して8位に入賞。しかし、“忘れるおかん”ネタが大ウケし優勝した『ミルクボーイ』や、“否定しないツッコミ”で人気を得た『ぺこぱ』、“王道漫才”に定評のあるベテラン『かまいたち』などが大きな話題となった一方で、“ニッチなキャラを貫き通す”すゑひろがりずは陰に隠れてしまっていた。だが、YouTubeのゲーム実況においては、その一風変わったキャラを貫くことこそが強みともなっている印象を受ける。

「ここで幕府を開きまする」

 ゲーム実況といえば、有名なユーチューバーに加え、芸能人やお笑い芸人たちもこぞって行っている定番のコンテンツ。実際にプレイしている画面を映しながらリアルタイムで中継をするため、視聴者は一緒にゲームを遊んでいるような気分になることができたり、あるいは、そのゲームの攻略法を学んだりすることができる。既存のファンはもちろん、ゲーム好きの層に対しても鉄板ネタで、ウケのいいコンテンツだ。

 実況されやすいゲームのひとつが、“巣ごもり需要”の恩恵を受け爆発的な売れ行きをみせている任天堂のゲームソフト『あつまれ! どうぶつの森』(通称:あつ森)。大人気ユーチューバーのヒカキンも、自身のゲーム実況専用チャンネル『HikakinGames』で動画『【人生初】あつまれどうぶつの森遊んでみた! ハート池の島厳選したら地獄でしたw【あつ森】【ヒカキンゲームズ】』を公開し、あつ森に初挑戦でありながらも盛り上がっている様子を配信。

 コメントを通してファンから教わった情報や、途中で気づいた「Bボタンを押すと走ることができる!」などといった解説を挟みつつ視聴者を楽しませ、5月17日現在までに約666万回もの再生数を記録している。

 ほかにも、著名人・一般人問わずたくさんの人々があつ森の実況動画を配信している。一定の需要があるため、再生回数も稼げるのだろう。そして、著名人の公式チャンネルのなかでは王者・ヒカキンに次いで多くの再生回数を叩き出しているのが、すゑひろがりずが投稿した動画なのだ。

 “芸人として”の個性は、ゲーム実況ではなかなか出しづらい印象もある。だが、M-1では“濃すぎる”ゆえに異彩を放っていたすゑひろがりずの場合、普段の漫才で見せるキャラをゲーム実況でもそのまま発揮しまくることが、大きな武器となった。

 彼らはあつ森のゲーム実況が、再生回数とチャンネル登録者数を一気に増やすきっかけに。3月17日には約7万3000人、4月17日は約19万人だった公式チャンネル『すゑひろがりず局番』の登録者数は5月17日現在、24万1000人を超えたあつ森に関連する動画はすでに40本もアップされており、3月31日に投稿された第1回は、169万回再生を突破。あつ森関連が配信される以前の動画は、視聴回数がいちばん多いもので81万回ほどであることをふまえても、このコンテンツが視聴者に好かれているのがわかる。では、その独特な実況っぷりを解説していこう。

「集え! けもの共の藪!」と荒々しく変換されたタイトルが登場し、実況がスタート。おなじみの着物姿、しかも背後には屏風を据えてテレビに向かい、登場キャラクターのたぬきに対してなぜか初っ端から懐疑的になるすゑひろがりず・三島達矢。同じく疑う相方・南條庄助と、そのたぬきに対し「人様を化かしに来よったのじゃよ」「左様じゃな」「易々とたぬきに名前を教えては化かされてお終いじゃ」などと、古風な口調でのやり取りを繰り広げる。

 場面が進み、無人島へ誘導するたぬきに対し「島!? 島流しか!?」「島流しに合うと申すか!?」「何を致したのじゃ」「某(それがし)らは都に住みたいのじゃよ!」と騒ぐ。ところが、島に着いてきれいな景色を目にすると反応が一転、南條が「愉快〜! 愉快〜!」と自前の鼓を叩き始め、三島が「ここで幕府を開きまする」と意気込むなど、おなじみのキャラで終始テンポよく反応する。次回への余韻を残しつつ、興奮に包まれたまま実況は終わりを迎える。

 こうしたYouTubeのゲーム実況は普段のネタではないから、“素”の状態で配信をする芸人も多くいるが、彼らは基本的にはそのキャラを貫き通すのだ。たとえ本人たちの漫才を見たことがない人でも、彼らの芸風や笑いどころのポイントは十二分に伝わるだろう。

読み込み中
LINE Twitter facebook hatena pocket copy