同じく出会い系アプリで出会った男性が既婚者だった、という遠山早希さん(仮名・29歳)にも話を聞くと、やはり通常の交際とはちょっと異なるなという“違和感”を抱いていたそう。
「勢いのあるベンチャー企業の副社長をしていて顔もかなりのタイプだった男性とマッチングしたので、メッセージのやり取りや電話で話したのち、会うことになりました。互いに好意を持っていることは会った時点でなんとなく感じており、何度もデートを重ねたのですが、絶対に家には呼んでくれないしいつも外で会うだけ。性行為も車の後部座席で行っていましたね」
冨田さんも遠山さんも、それぞれの相手と3か月ほど付き合った。しかし、2人ともどこかで相手に対して“既婚者なのでは?”という疑いがずっと晴れず、最終的に問い詰めた結果、結婚していることを認めたそうだ。とはいえ、誰もが強気に相手を問いただせるわけではないし、大東のように最後まで隠し通す猛者もいるだろう。
“容疑者”たちは最初から異性を騙すつもりでいるからこそ、徹底して戦略を練ってくる。冨田さんと遠山さんの話を聞いていると、妙な共通点が浮かび上がってきた。
・年齢や細かい事実関係も頻繁にごまかしていることがある(冨田さんの彼は、なぜか4歳サバを読んでいた)
・不審に思われないためか連絡はそれなりに頻繁だが、その内容は薄い(今日はお昼にカレーを食べた、など)
・SNSのアカウントを教えてくれない
・急な電話には出てくれない
もちろん、こうした共通点は全員に当てはまるものではないだろうし、付き合っていると思っている間は「彼を信じたい」という気持ちがあるゆえに、発覚に至るのは難しい。しかし多くの場合、相手が細かい嘘をつき続けることでほころびが生じ、どこかでボロを出していることも多い。実際、前述の冨田さんは、徹底的にネット上の情報を調べたことで証拠を掴んでいる。
「フェイスブックの登録をしていないと使えない出会い系アプリだったにもかかわらず、絶対にフェイスブックで友だちになってくれないところもおかしいなと思っていました。そこで“友だちになってくれなかったら別れる”とかなりゴネたところ、しぶしぶ友だち申請を許可してくれました」
冨田さんはすぐに彼のページを調べ始めた。
「不自然に更新頻度が少なかったので、私がゴネている間に見られたくない投稿を削除したであろうことが予想できたのですが、それでもどこかに怪しいところがあるはず、と彼の投稿を8年ぶん、遡(さかのぼ)りました。すると、7年前に海外旅行に行ったときの写真が見つかりました。彼がひとりでビーチでくつろぐ様子が写っていたのですが、左手の薬指には指輪が。さらに、5年前の誕生日に友人から“また奥さんと遊びに来てね!”というコメントが書き込まれていたことを発見したのです」
なかなかの執念で見つけ出したほころび。離婚の兆しも見えないことに嫌気がさし、彼のことは見限ったという。
現金払いや“泊まりなし”は怪しい!
こうした“完全犯罪不倫”について、恋愛コラムニストとして連載執筆や数多くの恋愛カウンセリングを行ってきた堺屋大地氏は「そもそもですが、40歳以上でそこそこ恋愛経験がありそう(モテそう)なのに“独身”と言っている男性はまず怪しいです。バツイチならばまだしも“結婚歴がない”と言っている男は警戒したほうがいい」と語る。
堺屋氏によると「付き合っている彼が既婚者かどうか見破る方法はある」という。堺屋氏が挙げる“怪しい男の特徴”13のチェックポイントは以下だ。
・家に呼んでくれない(家の場所を正確に教えてくれない)
・電話に出るのは会社か外出先がほとんど(当然、家では出ない)
・デートは平日ばかりを指定してきて、土日は会えない
・平日夜や土日にLINEの返信がない、既読になるか返信がくるのが遅い
・車を持っているのにデートに車を使わない
・レストランなどの支払いにクレジットカードを使わず現金払い
・高年収なのに、慣れると大衆的な飲食店が多くなる(小遣い制の可能性あり)
・飲食店→ホテルのデートコースが定番(映画や買い物にはあまり行かない)
・丸一日のデートには連れて行ってくれない
・泊まりの旅行に連れて行ってくれない
・大型テーマパークや人目の多いところに行きたがらない
・特定の街(駅)に行きたがらない(家族や知人に見つかるリスクは避ける)
・左手の薬指に指輪をしていた痕跡(日焼け跡など)がある