ただ、薬局での販売に対しは、“安易な服用を招く”との意見もあるが、

「緊急避妊薬は、低用量ピルやIUSのような“いつもの避妊”ではなく、“もしもの避妊”。もしものときに安易に使う人がどれほどいるのか想像してほしいです。そもそも、風邪薬が手に入りやすいからといって、安易に風邪になる人が増えますか? 途中で取れた、破けたなど“もしも”が起こりやすいコンドームが主流の日本だからこそ、緊急避妊薬は必要だと感じています」(福田さん)

相談しやすい環境づくりを

 また、必要な人がいつでも使えるという観点から、費用面の課題も指摘される。

「現在、1回の服用費用は、1万5000円~2万円(ジェネリック薬の場合1万円弱程度)。服用をあきらめた人の最も多い理由は、値段といわれています」(清水医師)

「欧米では薬局販売で1000円~5000円程度。また緊急避妊薬に限らず、多くの国で避妊は保険適用、もしくは国の補助が受けられるようになっているので、日本でも同様の動きを期待します。欧米だけでなく、アジア、アフリカ諸国も含めて、避妊は必要不可欠な“医療”という認識なのです」(福田さん)

 緊急避妊薬の服用が、避妊を考えるきっかけとなる仕掛けづくりも必要だろう。

「緊急避妊薬の避妊効果は約80%。何度もリピートするうちに、いつか望まない妊娠が起きる可能性があります。以降の確実な避妊につなげるために情報提供や産婦人科医に相談しやすい環境を整えることが必要です」(清水医師)

「スウェーデンでは、出産時に今後の出産意思がなければ、IUSを入れることができる病院もあるなど、避妊が自然に行われています。夫婦間でも避妊は必要ですし、妊娠したくないときは女性が自分の意思で避妊方法を選択してよいという意識が年代を問わず広がってほしいと思います」(福田さん)

(取材・文/河端直子)

(週刊女性2020年11月10日号掲載)