1部と2部を一気見したい
続いて7位は、ただのスポ根とはひと味違い、少女マンガのテイストも加わった『エースをねらえ!』(1973年~)がランクイン。放送当時は視聴率が伸びず、半年で放送は終了になったのだが再放送で人気が出て、『新・エースをねらえ!』(1979年~)が放送されている。また1部の完全新作として映画『エースをねらえ!劇場版』(1979年)、さらにOVA『エースをねらえ!2』『エースをねらえ!ファイナルステージ』が製作されている。
●7位『エースをねらえ!』
「お蝶夫人こと竜崎麗香がすてき」(58歳・福岡県)
「テニスって、憧れのスポーツでした。当時はルールも知らなかったけれど、今は分かるから、さらに楽しめるかも」(58歳・東京都)
「最近は家にこもっているので、1部と2部を一気見したいです」(56歳・神奈川県)
男性編でも人気の作品
ここまで少女アニメが並んだが、8位、9位には男性たちからも支持を集めた2作品があがった。しかし、男性たちから圧倒的な声があがった『宇宙戦艦ヤマト』でも『機動戦士ガンダム』でもない。
第8位の『バビル2世』(1973年~)は、男性編では10位。第9位の『デビルマン』(1972年〜) は男性編でも9位だった。デビルマンはテレビアニメと漫画が同時進行で制作され、世界観もストーリーも全く違う作品になった。
●8位『バビル2世』
「ロデム、ロプロス、ポセイドンというしもべたちが魅力的でした」(59歳・愛知県)
「故郷へ帰ることをあきらめた宇宙人・バビルが地球人と結婚して、ずっと時間が経過してバビル2世につながっていく。深い話です」(58歳・東京都)
●9位『デビルマン』
「主人公の不動明がかっこよかった。私が見たのは再放送だったと思う。ぼんやりとしか覚えていないので、いつかちゃんと見たいって思っています」(51歳・東京都)
「〈あれは誰だ 誰だ 誰だ〉から始まる阿久悠が作詞したテーマソングがいい。ちょっとダークな絵も好き」(58歳・埼玉県)
「デビルマンに変身するところをまた見てみたい」(54歳・兵庫県)
女の子の胸を躍らせるもの
今回のランキングの締めは10位の『魔女っ子メグちゃん』(1974年~)。『魔法使いサリー』、『ひみつのアッコちゃん』の流れをくむ、女の子が大好きな魔女っ子アニメだ。1年半(全72話)の長期放送となったことからも、その人気がうかがえる。
●10位「魔女っ子メグちゃん」
「今も主題歌を歌えます。毎週熱中して見ていました」(53歳・埼玉県)
「絵がおしゃれだった記憶があります。ファッションとか町の背景とか……。そこが好きでした」(50歳・北海道)
◇
女の子は、アニメに憧れや夢を重ね、成長していく。『キャンディ・キャンディ』が圧倒的に支持されるのは、今は見られないという欲求不満もあるが、キャンディの逆境を乗り越える姿やせつない恋愛などに胸を踊らせ、感情移入できたからだろう。
アニメに限らず私たちは作品から、あの頃の夢や感動を得たいからこそ「もう一度見たい」と切望する。幸い今は、再放送を待つまでもなく、アニメ配信サイトなどで何度でも見ることができる。きっとキャンディのあの笑顔もまた見られる日が来ると信じて待ちたい。
(取材・文/水口陽子 編集/春原恵)
(2021年3月 週刊女性PRIME掲載)