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人生100年時代。今や日本人のおよそ半分は50歳以上です。「NEOFIFTY」では、これから50代を迎える人にとって、その先にある老後が「終活の始まり」ではなく「新しい人生がもう一度始まる」と思えるように、素敵な生き方をしている人たちの言葉を紹介していきます。

NEOFIFTY -新50代の生き方-

『LIFE!』で大人気、池谷のぶえは「めちゃくちゃ自己肯定感の低い人」だった

SNSでの感想
池谷のぶえ 撮影/森田晃博
目次
  • 復讐心がメラメラとわいてきて
  • “ああ~向いてないな~”って思う
  • 父が亡くなったとたん、扉がパッと開いた

 俳優生活27年。舞台、ドラマ、映画で、存在感のあるバイプレーヤーとして活躍する、女優・池谷のぶえさん。2017年から出演しているNHKのバラエティー番組『LIFE!~人生に捧げるコント~』でも、ウッチャンこと内村光良やシソンヌなど笑いのプロと比べても見劣りしない爆発力のある面白さを披露し、昨年出演したドラマ『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)では、座敷わらし役を演じて話題に。今年5月に50歳を迎えるベテラン女優の意外な素顔とは──。

30代になるときと40代になるときは、すごくそわそわして嫌だな、怖いなという思いがありましたけど、自分でも不思議なくらい50代にはマイナス要素を感じていないんです。50歳くらいでくると思っていた体調の変化が45歳くらいから出てきたりして、今まで当たり前だった身体の使い方とかも徐々にできなくなっていくのだなと、受け入れていたこともあったので、50代は40代からの地続きという感じですね(笑)。

 それに女優の先輩方がみなさん、すてきに活躍されていて、日々楽しそうなので、そういう意味でも50代にはキラキラしたものを感じています(笑)

 女優としてキャリアを重ねても守りに入らず、さまざまな役柄にチャレンジしている池谷さん。『LIFE!~人生に捧げるコント~』でも、自身の名前のキャラクター「ノブエ」という“もののけ”や、くノ一に扮(ふん)するなど、お茶の間に笑いを届けて、新たなファンを増やしている。

「『LIFE!』はやっていて楽しいですし、現場でスタッフさんが笑ってくださると、“あ! 正解なんだな”って思えてうれしいです。でも逆に怖くもあって。リハーサルで笑いが少ないと“大丈夫かな? 間違ってるのかな?”って、気になりますね(笑)。私はコントをちゃんとやってきたわけはないので、笑いをずっとやってきた方々のアドリブや瞬発力にはかなわない。一生懸命にはやるんですけど、それは私なんかがどんなに頑張っても到達できないような場所な気がします

 もうひとつ『LIFE!』に出演してよかったことがあるそうで。

ドラマの現場でも、“『LIFE!』見てますよ”と言ってくださる方が最近すごく増えてきて。特にレギュラーじゃなくて、少しだけ出演する作品だと、知り合いも居場所もなくて寂しいんですけど。『LIFE!』のおかげで初めての方々にも声をかけていただけるので、助かっています

復讐心がメラメラとわいてきて

 1994年に東洋大学の演劇サークルの仲間と劇団『猫ニャー』(のちに『演劇弁当猫ニャー』)を旗揚げし、女優活動をスタート。2004年の解散後は、KERA、野田秀樹、蜷川幸雄など多くの有名演出家の舞台に出演。さらにドラマ・映画でも引っ張りだこの存在に。『LIFE!』や多くのコメディー作品にも出演しているが、「特にコメディーが得意なわけではない」と明かす。

ナンセンスコメディーの劇団にいたので、とても笑いが好きだと思われているんですけど、実はそんなことはなくて。M-1グランプリも見ていないくらいですし(笑)。でも、私の風体や演技を見て、使ったら面白いんじゃないかって呼んでくださるのはうれしいですね」

 中学・高校と演劇部に所属。大学でも演劇サークルで活動し、その仲間と劇団を旗揚げするという経歴からは、ずっとプロの役者を目指していたに違いないと想像するが、「女優になろうと思ったことはなかった」という。

「演劇に何の興味もなかったんですけど、中学の友人に誘われて演劇部に1週間の体験入部をすることになって。通っているうちに、その友達が来なくなったんです。私だけ演劇部に残して吹奏楽部に入っていたんですね。そのときに、“勝手だわ!”という復讐心がメラメラとわいてきて(笑)、なんとしても3年間、演劇部をまっとうしようと思ったのが始まりです。

 1年目はあまり面白さを感じなかったのですが、1年生の最後にやる公演のオーディションがあって。“ウワーッ!!”って叫ぶセリフを言ったときに、今まで出したことがないようなすごい声が出たんですね。その瞬間、みんなが“わっ!”っとなって褒めてくれて、自分も“わっ!”って高揚したんです。知らない自分が出てきて、“お芝居って面白い”と思うようになりました。でも、演じることが好きというよりは、演劇部やサークルの仲間と作品を一緒に作っていくことが好きだったんだと思います」

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